なんとか一命をとりとめたチイチャンはその後特別のこともなく、スクスク成長し、立派な母猫となっていった。
そのころから、僕も登校拒否から回復して、小学校へ通いはじめていた。
今と違って当時は、家猫は四六時中気分にまかせて、家から自由に出入りし、気ままな生活をおくっているのが当たり前で、母猫も子供たちを置きっぱなしで、フラフラ出歩いていた。
母親を幼いころ亡くして、顔すら知らない僕には、子猫を置き去りにして、外にばかり出歩いている母猫の無責任さが、気に触っていた。
ある日曜日のこと、朝帰りしてきた母猫のチイチャンをつかまえて、懲らしめようと思い立った。
掴まえようとしておいかけると、逃げまくるので、かなり頭に来ていた。
子猫たちは、腹を空かして「ニャアー ニャアー」とか細く泣き声をたてていたので、怒りがだんだんとエスカレートしてきた。