「どうしたのだ!」と祖父。
僕は斯く斯く云々と手短に説明した。
祖父はうなづくと、「先ず水を吐き出させてからからだ。」と言って、
すぐさま「細めのネラトンと、注射器を・・・・・」と看護婦に命じた。
ネラトンチューブは、患者が尿を自分で出せなくなって、所謂導尿をする時に使うやや腰の強いゴム製で、先端を丸め当たりを優しくしてある管で、用途に応じて、いろいろの太さと長さがある医療用の器具のことである。
チイちゃんの脚を持ち逆さにして「ポン、ポン」とお腹のあたりを、軽く叩いて水を吐き出させてから、祖父はチイちゃんの口にネラトン管を挿し込み、注射器で水を吸いながら、胸を軽く押さえたり離したりする人工呼吸を続けた。
僕は、自分がそうされているような感じがして、ジッと息をおさえて注視していた。