私の医学生時代 61 | *ルビーテッククリニック*院長のコラム

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話を滝沢教授の「病材示説」の試験の話に戻します。

その当時、病理学は基礎医学の範疇にはいると考えられいたので、積極的に臨床医学と結び付ける考えを持つ医学者はあまりなかったように思う。

何故死亡したのか不明な症例とか、臨床的にそれまでの医学的な理屈で説明出来なかった例等の、原因の解明などが主目的で、病理解剖が行われ臨床医が納得するようなときの手段の一つと考える医師が大多数であった。

こういう訴えのとき、病状の進展や治療に伴い病理的にはどのような変化がおこるのかを、解明しようと努力する人はあまりいなかった。

滝沢教授はこの欠陥を修正し、病理学的所見と臨床症状を結び付けて医療の質の向上を目指して居られたのであった。

バラバラだった基礎的知識と、経験的に得られた臨床の結果を結合させる先鞭をつけ、この考え方の普及につとめられたのであった。