その他にもいろいろのエピソードがあったが、時は矢のごとく過ぎさり、4年生となってその夏休みを迎えていた。
学生生活の最後の長い休暇で、同級生たちはこれを楽しむための計画を思い思いに立てていた。
当時はまだ戦後の復興期の最中で、経済的にはゆとりのある学生は少なかったが、ほぼ全国に同級生が散らばっていたので、仲良しのグループでお互いの家庭を訪ねあい、経費を節約して、遠方では北海道、九州へ出かける人たち、登山に誘い合って出かける人等、様々な思いで作りのプランをたてていた。
私はといえば、そんな計画を立てる事自体が、無理なことだった。
春、夏、冬の長期休暇には家に帰り仕事の手伝いをするように厳命されていたからだ。