下宿も決まり2年生に進級して、新しい科目がスタートした。いろいろの教科のうち、私が最も興味を抱いたのは解剖実習だった。
これは1年の2学期の後半・秋の頃から始まっていた。
外科医の息子で、その跡継ぎとして専攻科目は当然外科を目指し、そのために当時日本外科学会の第一人者として、世界的に有名であった中山恒明先生が教授をされていた千葉医大に入学したのである。
外科の手術は最も必要で、且つ重要な知識は人体の解剖であることは言うまでもない。
その時代には、当然現代のようなグラフィックイメージングのような表現方法はなかった。
従って解剖図による平面的な画面だけで得られる知識のみで、実際の人体での立体的な位置関係を知るには、解剖実習によるしかなかったのだ。
だから解剖実習には、一生懸命力を入れて励んでいた。