おばあちゃまは新座敷の隣にいたので、息をきらせて部屋にかけこんだ。
「おばあちゃま、ミルクください。」
おばあちゃまはビックリして、顔をあげた。
新座敷は祖父の居間で非常に厳しい人で、歩くときなども下駄の音など立てると、雷が落ちる。
話をするときも、大声は禁物だ。
斯く斯く云々と声を潜めて捨てられていた仔猫の話をして、飲み物食べ物の相談をした。
「困ったね。」おばあちゃまの第一声がこれだった。
その当時牛乳配達などはなく、田舎では粉ミルクしか手に入らず病人や赤ちゃんにしか上げない位、貴重のものだった。
「どうしたらいいかねぇ」おばあちゃまは、首をかしげて考えていた。