新座敷と云う名は、文字どうりのものなのだが、新館を建てる前、そこには、今住んでいる母屋があり医院の診療と生活の場として機能していた。
昔の田舎の医者の住まいは、玄関に入ると少し広い土間、それに続くやや広めの板敷の式台のような上がり場がある。
ここは患者の待合と、怪我人などの救急処置の場としても使われていたようだ。
その境にやや太めの敷居があり、障子の向こうは一段高くなり、八畳位の畳の診察兼治療をする部屋がある。ふつうは診察場(ば)と呼んでいた。
その並びに、又障子で仕切られた八畳位の居間兼食事、家族との団欒の場(茶の間)がある。
此処は医者のプライベートの空間ではあるが、夜になると薬を作る事や諸々の作業が家族の手助けにより行れる場でもある。
私も小さい頃から薬の包み方を教えて貰い手伝わされたものだった。
薬を分包する紙の折り方は昔乍らのルーがあるが、割と簡単ですぐに覚えて、これは楽しい仕事であった。
次回に続く![]()