酷く慌てたので、上り框で滑ったが、急いで障子をあけると、元は診察室だったような部屋で、
今は畳が敷かれ窓側は幅半間ほどの板敷となっていて、そこには小さいテーブルと椅子が置かれ父母の居間となっていた。
そのテーブルに顔を伏せ継母は頭を手で押さえていたが、その指の間から真っ赤な血が滴り落ちその周りは、血の海のようになって居る様にみえた。
大変な事になってしまったとは思ったが如何したら良いのかわからない。
その間に自分も目が回って朦朧となったので後の事は覚えていない。
後から聞いた所によると、前の姫街道に面して建てられていた医院の新館の方で診療中の祖父が縫って事なきを得たが、中々血が止まらず苦労したらしい。
そのあとが大変なことになってしまった。
次回に続く![]()