Buona sera!
2月も半ば近くなり日が長くなってきました。
さてさてフィレンツェにはタダで回れる施設がたくさんあります。
美術館に教会・・・タダとは言えどもあなどるなかれ。
イタリア・ルネサンスの真髄とも言える作品が並んでいます。
今回はその中の「サン・マルティーノ礼拝堂」をお届けします。
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フィレンツェの中心地シニョーリア広場から少し北に上がると小さな広場があります。
サン・マルティーノ広場と呼ばれるその場所には小さな礼拝堂があります。
一見すると通り過ぎてしまうような礼拝堂。
入り口の写真。
でもこの小さな礼拝堂の中にはルネサンスを代表するギルランダイオの作品がたっぷり並んでいるのです。
ギルランダイオといえば1400年代にボッティチェリとともにフィレンツェで活躍した画家。
有名な作品としてはオンニサンティ教会の「最後の晩餐」や「聖ヒエロニムス」があります。
こちらは対面にあるボッティチェリの「聖アウグスティヌス」
東京訪問中です。
1480年代フィレンツェで最大規模の工房を誇ったギルランダイオ。
ここの壁画は彼の工房が手がけたとされています。
この壁画、ひとつひとつ見ると共通点があります。
すべて「施し」の精神に基づいた絵なんです。
というのは、この礼拝堂が建てられた経緯と関係します。
1400年代にすでに都市国家として成立していたフィレンツェ。
福祉も充実していました。
捨て子養育院が建てられたのは1419年。
政治の一環としてこのような施設を建てるのは画期的だったのではないでしょうか。
救済の対象は子供だけではありませんでした。
貧困に陥りながらも恥ずかしくて救済を求められない人のために作られたのがこのサン・マルティーノ礼拝堂でした。
「もうどうしようもない」という状況に陥ったフィレンツェっ子たちは救済の依頼を紙に書いてここにこっそり投函したそうです。
それを一枚ずつ係りの人が読み、必要なお金を届けるというシステムでした。
「内緒で」投函できる、というところがフィレンツェっ子の誇りの高さを物語っているような気がするのは私だけでしょうか・・・
この壁画の中に1点面白い作品があります。
これ、牢屋から人が出てくるシーンなんですが、足元に注目してください。
左から
・タイツ+ブーツ
・裸足に靴
・右の3人はタイツのみ
という足元です。
さてこの中でお金持ち&当時一番のおしゃれなのはどの足元でしょう?
答えは「タイツのみ」です。
ルネサンス時代の貴族はタイツに底を入れて履くのがおしゃれだったとか。
靴を履いているのは貧乏の証拠(?)だったそうです。
これを聞いてから絵を見るたびに必死にタイツメンズを探しています。
だって夢は玉の輿ですから('-^*)/
小さな礼拝堂ですが、ルネサンスの真髄がたっぷり。
ちなみにこの胸像はダヴィンチの師匠ヴェロッキオの作品。
美術はもちろん「人間中心」となったルネサンスの政治的な側面も感じてみてください。
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サン・マルティーノ礼拝堂
Piazza San Martino
月~木:10:00~12:00 / 15:00~17:00
金:10:00~12:00
土日祝は休館
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