天国への門が開いた!Part 4☆中世キリスト教美術から見る図像学 | フィレンツェ観光ガイド 加藤まり子 in 東京

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フィレンツェ観光ガイドの資格を2016年に取得しました。
現在は都内で美術の鑑賞の仕方を教えています。
詳しくはホームページから。
http://mariko-no-heya.com/


前回「マニアックな記事を書く」宣言しましたが、今日はほんっとウケを無視した
趣味の記事
です

・中世キリスト教美術とか図像学に興味のある方
・これからウフィツィとかルーブルといった名だたる美術館に行く前に予習しておきたい方
・マリコの趣味に付き合ってやろうという奇特な方
のみ読み進んでください





フィレンツェの街の象徴とも言えるサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂

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その向かいにある洗礼堂の門について紹介してきました。IMG_0283

Part 1 - 東側にある通称「天国への門」
Part 2 - 唯一のゴシック作品 南側の門について
Part 3 - ゴシックからルネサンスへのお話


そして今回は南側の門に描かれているキリスト教の「徳」を通して図像学を見ていきたいと思います。


天国への門と比べて観光客の少ない南門・・・
ええ作品やのになー。


この扉は28枚のパネルでできているのですが、
上の20枚は「洗礼者ヨハネの生涯」について
下の8枚がキリスト教の「徳」について描かれています。

キリスト教の「徳」はさらに
「対神徳」と「枢要徳(対人徳)」
に分かれています。


対神徳とは神様に対して人間が示す徳を表します。
・信仰 (Faith / Fede)
・慈愛 (Charity / Caritas)
・希望 (Hope / Spes または Esperanza)
の3つになります。


こちらが「信仰」
手に持つ十字架と聖杯が特徴。


次が「慈愛」
手に大地の恵みを示す角があります。



そしてこちらが「希望」
羽根があること、そして手を合わせるようにして上を向いていることが特徴です。



そして、一般的には「徳」の中には明記されていないのですが、もう一つ重要とされる「謙遜 (Humility / Humilitas)」も描かれていました。


次は枢要徳とタロットカードについて見ていきたいと思います。


ここ、私の原点でもあり本当は私が一番触れたくないところだなー。
といくことで、乞うご期待。