北鎌倉での秋の催しが
無事終了
一昨日は良いお天気に恵まれ
北鎌倉の円覚寺佛日庵での
「薫物合わせ」が終了いたしました。
1年に1回の催しなので
皆様とても楽しみになさって
いらっしゃいました。
当日は円覚寺の三門に集合し
円覚寺の塔頭佛日庵に参りました。
紅葉を期待したのですが
色づいていたのは一部のもみじ
まだ早いようでした。
雨も降らず、それほど寒くもなく
お天気に恵まれました。
皆様おすましでございます
皆様笑顔でございます
見学の方たちもご一緒に
平安朝香道で行なった
「薫物合わせ」って
どのようなものなのでしょうか?
平安時代には
「歌合わせ」「絵合わせ」「前栽合わせ」など
人々が左右に分かれ物を比べ合わせた
「物合わせ」が行われました。
「薫物合わせ」も「物合わせ」の一つ
「薫物合わせ」に参加する者は
香料を独自の方(レシピ)で練り合わせ
薫物(練香)を創ります。
その香を後日持ち寄り、香を聞き比べ
その善し悪しを競うのです。
令和の時代での
「薫物合わせ」
なかなか愉しいものです。
お一人お一人の思いを込めた薫物
それを皆様で聞いて
感じた思いをお話し頂きます。
感じ方は人それぞれ違うものです。
必ずしも同じではございません。
その方が今まで過去に聞いた香り
それが基準となるので
知らない香りには違和感を感じたり
悪しき香りに思えたり
反対に、今までにない芳香を
感じるかもしれません。
それぞれの感じ方は十人十色
となるはずです。
必ず同じでなくてよろしいのです。
「物合わせ」は判者(はんじゃ)に
優劣を判定させますが
「源氏物語」の中での「薫物合わせ」は
決して優劣を判定しておりません。
源氏の君の弟君(謎)とされる
螢兵部卿宮が判者となりますが
それぞれの良いところを抽出して
見事な言葉にして表現しております。
お見事
と申し上げる他ございません。
源氏の君は優劣を決めたがりますが
螢宮はそうはいたしませんでした。
これも紫式部の見解なのでは?
私にはそう思えるのです。
今回は紫式部の和歌集
「紫式部集」より
冒頭の和歌を選びました
めぐりあひて
見しやそれとも
わかぬまに
雲がくれにし
よはの月かな(かげ)
この和歌より
薫物をお創り頂きました。
螢兵部卿宮ではございませんが
皆様
お見事
でございました。
来年もまた
「薫物合わせ」が出来るように
お互いに進化いたしましょう。
大変愉しい一日でございました。