金木犀が咲くと想い出す
虹の橋のたもとで待っている愛猫へ
ご訪問ありがとうございます
平安朝香道の朝倉涼香です
とても良いお天気の
秋の日でした
歩いていると
仄かに甘い香りが・・・
どこからかしら?
来た道をふり返り
見回すのですが
姿はありません。
前方の角を曲がると
1、2軒先のお家の庭に
金木犀が見えました。
我が家のキンモクセイ
9月の終わりから10月にかけて
毎年のことなのですが
甘く優しく漂うこの香りに
足を止め
在りかを捜すことになるのです。
今年も
金木犀の香る季節になりました。
この仄かで
甘く優しい香りは
秋風に乗って
私の胸の奥を吹き抜け
切なく哀しくさせる香りでもあるのです。
13年前に
虹の橋のたもとに
旅立ってしまった愛猫
哀しみから立ち直ったつもりでも
この季節になると
金木犀の香りが
その時を思い起こさせ
とても切なくなるのです。
とはいえ
金木犀の
優しく包み込むような香りに
黄金に陽に輝く黄色にも
癒され元気づけられもしたのです。
あれから13回目の開花?
いえいえ
去年はこの時期3回開花したので
16回目の開花です。
元気でいれば
26才と10カ月になっているはず
虹の橋のたもとで逢える日まで
橋を渡らずに待っていてくれるでしょうか?
足の傷もすっかり治って
虹の橋のたもとに咲く
お花畑の大好きな香りを嗅ぎながら
妹ニャン子を追いかけ
元気に走り廻っていることでしょう。
今年はキンモクセイを使って
薫物を創りましょう。
香料の蓋を開けると
どこからともなく飛んできて
スリスリをしていた麝香も
ほんの少し入れましょう。
仄かに甘く
優しく香る金木犀の香り
手招きしているように
一斉に香りだすキンモクセイ
次の角を曲がると
ずっと遠くで
陽に照らされたシルバーグレーの小さな波が
キラキラと光って
飛ぶように走って来ました。
「やっと逢えたわね」
毎年
金木犀の季節になると
愛猫に何度も逢えるのです。
雨にも負けず
風にも負けず
しばらく咲き続けてほしいものです。