紫式部が香りを育んだ都 | 横浜の香り教室 平安の香りと親しむ平安朝香道

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東急電鉄日吉駅3分にある平安の香りを創り楽しむ教室です。平安時代、貴族や「源氏物語」の主人公光源氏がたしなんだ香り創りや楽しみ方をご紹介。(by平安朝香道 朝倉涼香)

ピンクハート紫式部が香りを育んだ都

 

 

 

ご訪問ありがとうございます

平安朝香道の朝倉涼香です

 

 

 

一昨日は、満月

灼熱の太陽を忘れさせる

優しい温かさのお月さまでした。

 

 

めぐりあひて

    みしやそれともわかぬ間に

  雲隠れにし夜半の月影

       紫式部 (新古今和歌集)

 

百人一首にも収録されています。

(百人一首は「夜半の月かな」)

 

 

 

  「廬山寺」の 紫式部と大弐三位(娘賢子)の歌碑

 

 

この歌は幼友達に

久しぶりに出会った時の歌です。

 

せっかくお会いしたのに

あなたは、雲に隠れる月のように

たちまち帰ってしまった。

その惜しさを歌に詠んだものです。

 

 

どこで幼なじみに会ったのでしょう?

長い間会えなかったのに

積もる話しもあったに違いありません。

きっと紫式部はもっと話をしたかった

のですね。

場所は

住んでいた自宅かその周辺なのでは?

 

先日の京都行では

紫式部が幼いころから住み

結婚し、娘賢子(かたこ)を育て

「源氏物語」を執筆した邸宅後に

立ち寄りました。

 

現在は廬山寺が建っていますが

当時は現在の廬山寺の辺りを

中心に邸があったそうです。

 

 

 

 

 

「源氏庭」には桔梗が咲き始め

 

 

 

 

紫式部邸宅跡の碑

 

 

 

 

蝉の声が・・・

 

 

 

 

紫式部も眺めたかもしれない夏の空

 

 

 

桔梗が咲き揃うと

紫がより一層美しく映えることでしょう

 

 

 

 

紫式部が住んでいたころは

この辺りは摂関家の大邸宅があり

現在の高級住宅街というような

場所だったのでしょうね。

 

 

平安時代の大内裏は

現在の京都御所より少し西に

離れていたようです。

 

鴨川にほど近い中河の紫式部邸

そして大内裏。

 

どちらも自然に溢れ

季節ごとに色を変える樹木や

春の七草も

秋の七草も

その植物達から放たれる芳香が

常にあったのではないでしょうか?

 

それが「源氏物語」の中で

花開き、実をつけて行った。

 

 

香りに因んだ

「源氏物語」の登場人物

薫や匂宮(におうのみや)

 

登場する薫物の数々。

 

 

 

 

 

 

紫式部が香りに対して

非常に詳しい知識と見識を持ち

鋭い観察力で自然をとらえ

知識に基づいて物語を創作。

 

何よりも香りを大切に思い

自身が香りをとても好んでいた

と思うのです。

 

 

紫式部は自分自身のために

創った薫物は

どのような香だったのでしょう?

 

それは、いつまでもずっと

私の課題であり続けるのかもしれません。