●気分は清少納言
汗の香りと香の香り
ご訪問ありがとうございます
平安朝香道の朝倉涼香です
暦の上の立秋は
とうに過ぎてしまったのに
毎日酷暑が続いています。
少々気分を変えて
秋風を思わせる
「枕草子」の一文で
暑気払いです。
「枕草子」より
気分は清少納言で
跳んでる意訳をしてみましょう。
決して正解の意訳
とお思いにならないでください。
アレンジにあふれておりますので
あしからず。
気分は清少納言で参ります
「枕草子」より
七月ばかりに風いたう吹きて
秋も始まりの頃よ(今の9月ごろ)
風がすご~く強く吹いて
野分(のわき・台風)かしら?
雨の音がうるさいくらいに降る日
暑さは和らいで
もう涼しさの方が
勝ってるかもしれないわ
それで
うっかりいつもの扇を忘れたの
だいぶ涼しかったから。
夏用の綿衣(わたぎぬ・真綿の入った衣)に
汗の香りが付いてて
それをすっぽりと被って
昼寝をしているの
暑くて暑くて寝られぬ夜
扇で仰いでも仰いでも
どうにもならない暑さだった・・・
そんな夏の夜が
行ってしまうとなると
何だか懐かしっ
夏ももう終わりなのね~
昼寝をするには結構肌寒いもの
秋がやってくるのよ
嬉しさとほんの少し淋しさも混じって
何だか複雑な気持ちになるわ~
だいぶ涼しくなってホッとする気持ちと
暑かった夏を惜しむ気持ちが
複雑に絡み合って、短い文章なのですが
清少納言の気持ちが
簡潔に表現されていると思います。
想像を巡らすと
単純に汗の香りではなく
夏の間、衣に焚き染められた薫物の香と
汗の香りが入り交じって
何とも言えない芳香だったかもしれません。
その薫物は夏の薫物の「荷葉」だった
とか・・・
ともかく、汗と共に薫っていた香りは
清少納言愛用の香だったと
想像出来るのです。
もしかしたら想い人の香
と言うことも想像できるのですよ。
汗の香りをそのままにしておく?
清潔志向が高くなった現代では
考えられないことですね。
古文も想像を巡らすと
なかなか
おもしろし
なのです