気分は清少納言 汗の香りと香の香り | 横浜の香り教室 平安の香りと親しむ平安朝香道

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東急電鉄日吉駅3分にある平安の香りを創り楽しむ教室です。平安時代、貴族や「源氏物語」の主人公光源氏がたしなんだ香り創りや楽しみ方をご紹介。(by平安朝香道 朝倉涼香)

気分は清少納言 

汗の香りと香の香り

 

 

ご訪問ありがとうございます

平安朝香道の朝倉涼香です

 

 

暦の上の立秋は

とうに過ぎてしまったのに

毎日酷暑が続いています。

 

 

 

少々気分を変えて

秋風を思わせる

「枕草子」の一文で

暑気払いです。

 

 

 

「枕草子」より

気分は清少納言で

跳んでる意訳をしてみましょう。

 

決して正解の意訳

とお思いにならないでください。

アレンジにあふれておりますので

あしからず。

 

 

気分は清少納言で参ります音譜

 

 

  「枕草子」より

 七月ばかりに風いたう吹きて

 

秋も始まりの頃よ(今の9月ごろ)

 

風がすご~く強く吹いて

野分(のわき・台風)かしら?

雨の音がうるさいくらいに降る日

 

暑さは和らいで

もう涼しさの方が

勝ってるかもしれないわ

 

それで

うっかりいつもの扇を忘れたの

だいぶ涼しかったから。

 

夏用の綿衣(わたぎぬ・真綿の入った衣)に

汗の香りが付いてて

 

それをすっぽりと被って

昼寝をしているの

 

暑くて暑くて寝られぬ夜

扇で仰いでも仰いでも

どうにもならない暑さだった・・・

 

そんな夏の夜が

行ってしまうとなると

何だか懐かしっドキドキ

 

夏ももう終わりなのね~

昼寝をするには結構肌寒いもの

秋がやってくるのよ

 

嬉しさとほんの少し淋しさも混じって

 

何だか複雑な気持ちになるわ~

 

 

だいぶ涼しくなってホッとする気持ちと

暑かった夏を惜しむ気持ちが

複雑に絡み合って、短い文章なのですが

清少納言の気持ちが

簡潔に表現されていると思います。

 

 

想像を巡らすと

単純に汗の香りではなく

夏の間、衣に焚き染められた薫物の香と

汗の香りが入り交じって

何とも言えない芳香だったかもしれません。

 

 

その薫物は夏の薫物の「荷葉」だった

とか・・・

ともかく、汗と共に薫っていた香りは

清少納言愛用の香だったと

想像出来るのです。

 

もしかしたら想い人の香ラブラブ

と言うことも想像できるのですよ。

 

汗の香りをそのままにしておく?

 

清潔志向が高くなった現代では

考えられないことですね。

 

古文も想像を巡らすと

   なかなか  

       おもしろし

                    なのです