ウツギの花の香りが雨に溶けていきました | 横浜の香り教室 平安の香りと親しむ平安朝香道

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東急電鉄日吉駅3分にある平安の香りを創り楽しむ教室です。平安時代、貴族や「源氏物語」の主人公光源氏がたしなんだ香り創りや楽しみ方をご紹介。(by平安朝香道 朝倉涼香)

ウツギの花の香りが

  雨に溶けていきました

 

 

ご訪問ありがとうございます

平安朝香道の朝倉涼香です

 

 

一昨日は雷も鳴り

一時的に激しい雨が降りました。

 

晴れて一気に夏日かと思うと

今にも雨が降りそうな日が

続いています。

 

 

 

 

 

五月最後の日に降った雨の後

紫陽花もしばらくは

うなだれていました。

 

山紫陽花は小さなお花なので

しっかりと首を延ばして 頭を立てています。

 

 

 

 

 

ハニーサックルは

和名を突抜忍冬(ツキヌキニンドウ)

吸葛(スイカズラ)

漢方では

金銀花(キンギンカ)とも呼ばれています。

 

 

 

雨に濡れてもいい香り~

 

 

クレマチスも雨に打たれて

 

 

 

 

ギボウシは

これからお花が咲きます

 

お花に香りのあるギボウシなんです

葉っぱの色がステキでしょ?

陽が照るともっと美しい色キラキラ

 

 

雨に打たれて植物達はまた元気を取り戻します。

 

 

最後に香りのお花

西洋梅花空木(バイカウツギ)

ベルエトワールです。

アジサイ科のウツギ属

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雨の中でひときわ白く光っているように見えました。

 

たくさんの湿気を帯びた外気と

バイカウツギの酸味を帯びた甘く涼しい香り

 

梅のお花に形状が似ているから

梅花・バイカと呼ばれるそうですが

梅の香りとは言えませんが

なるほど~

 

雨に溶け込んでウットリさせる香りを

漂わせていました。

 

このバイカウツギはアジサイ科ウツギ属です。

少々ウツギの説明です。

 

           ウツギ・卯の花   お借りしました

古来より空木の花は

卯の花として親しまれてきました。

 

日本に昔から自生するウツギの花には

残念ながら香りはないのだそうです。

 

香りがないといわれても

 

そうなのね~

 

です

 

空木と呼ばれるのは

材の芯が中空になっていることからの名称で

卯月(旧暦4月)に咲くから卯の花

 

万葉集より

卯の花の咲き散る岡ゆ霍公鳥(ほととぎす)

          鳴きてさ渡る、君は聞きつや 
 
                            作者不詳 
橘を詠んだ歌には
ホトトギスと一緒が多いですが
 
卯の花もホトトギスととっても仲良し
いつもペアを組んでます。
 
初夏の梅雨に入る前頃からしばらくは
この季節がお互いに活躍できる
最良の日々なのではないでしょうか。
 
 
「夏は来ぬ」
卯の花の匂う垣根に
時鳥(ほととぎ)早も来鳴きて~音譜
忍音(しのびね)も~らす
夏は来ぬ~音譜
 
それではこの歌はいったい?
 
香りのするウツギだったのか?
 

この作詞をされた佐々木信綱氏

歌人であり国文学者です。

ご自宅には2階建ての万葉集専門書庫があり

万葉研究の書籍を収蔵していたほどの

「万葉集」研究家でした。

 

卯の花の匂う垣根の「匂う」は

 

卯の花が白く光って照り輝くように美しい

 

そのような思いを込めて作詩なさったのでしょう。

 

万葉の時代と同じ意味で
「匂い」=「華やかな照り輝く美しさ」
 

 

卯の花(ウツギ)は

 

「匂いがしない」と

「匂いがする」

に分かれるようです。

 

我が家の西洋バイカウツギ(ベルエトワール)は

アジサイ科のウツギ属ですが

とても良い香りがします。

 

雷の閃光に一瞬照らされ白く光り

束の間薄暗くなった庭に輝いて見えたのです。

雨に濡れた美しさと共に

外気にその香りが溶け込んで

雷も忘れてウットリしてしまいました。

 

お花の中心に紅を差したような

アクセントもあり可愛らしいお花です。

 

日本に自生する空木に香りがないのは

残念なことですが

空木のお仲間を植えて

毎年その芳香を楽しみにしているのです。

 

 

今月のお稽古は「源氏合わせ」を行います。

皆様お楽しみに。