●蜜柑と柚子と金柑と
そして橘の花
ご訪問ありがとうございます
平安朝香道の朝倉涼香です
橘の香をなつかしみほととぎす
花散る里をたずねてぞとふ
源氏25才夏
みかんの花が満開になり
少しずつ散り始めてから10日ほどです。
何度かの雨で
今はすっかり散ってしまいました。
庭には4年前まで
柚子と蜜柑と金柑の木がありました。
5月になると
それぞれ
磁器を思わせる白い小さな花を
咲かせてくれていました。
柑橘系の花はどの花も似ていますね。
さて
どれが
蜜柑でしょう?
左から
キンカン
ミカン
ユズ
だったと記憶しています。
ずいぶんと前の画像ですので
名前を記載した画像を
見つけられませんでした
柚子の木はある年
考えられないほどの実をつけて
その後葉を落とし
枯れてしまいました。
残念なことでした。
柑橘系の全てのお花を調べた
わけではありませんが
柑橘系のお花は
どれも似ています。
香りは微妙に違うようですが
言葉で表現するには
とっても困難。
柑橘系と言えば
橘の花も同様です。
冒頭に記した和歌は
「源氏物語」の第11帖「花散里」で
光源氏が詠んだ歌です。
改めて
橘の香をなつかしみほととぎす
花散る里をたずねてぞとふ
光源氏が故桐壺院(源氏の父)の
後宮に仕えた麗景殿の女御を
訪ねた折に詠んだ歌です。
源氏は、桐壺院との過ぎし日を
懐かしく想い
源氏自身をほととぎすに託し
女御と歌を交わすのです。
古の橘の
かぐわしい香りに
誘われて
ほととぎすが
橘の花の散るこの里を
訪れたのですよ
この日
同じ邸に住み
頻繁に行き来する仲ではありませんが
麗景殿の女御の妹の
三の宮(花散里)を
久しぶりに訪れるのでした。
女性関係や勢力争いに
思い煩う源氏には
心安らぐ姉妹だったのです。
花橘の香りに誘われるのですから
橘の香りは平安人に
とても重要な香りなのですね。
花橘のお話はまだまだ
またお話しいたしましょう。
今日はこの辺で・・・