●紫式部は知っていた! 萩の香り
ご訪問ありがとうございます
平安朝香道の朝倉涼香です
昨日も日中は日が照ると真夏のような暑さでした。
少し日陰に入ると、吹く風に秋の気配がしました。
今日はとても涼しく、肌寒くさえ感じます。
ハギ
秋風に枝垂れた萩の花が揺れる風情は
想い人に寄せる揺れる想い?
恥じらいの中に秘めたエネルギーがありそうです。
言葉に表せないものが・・・
華やかな派手さはありませんが、
日本人の感性をそそる植物なのでしょう。
秋の七草でお馴染みの萩は、
日本古来の植物で
万葉集には141首詠まれ、
最も多く詠まれた草花です。
萩の花
もちろん「源氏物語」にも萩が登場
万葉時代も平安時代も日本人は秋の草花が大好きです。
「源氏物語」の中でも、秋の情景として萩を表したり
萩を折り込む歌を詠んだりしています。
ここで少々疑問に感じることがあります。
萩の花には香りがないのでしょうか?
紫式部は
薫物(様々な香をはちみつで練って合わせ、丸薬状にしたもの)や
空薫物(そらだきもの・薫物を香炉で焚いて、空間に燻らせるもの。今のルームフレグランス)
花の香りなど
香りについてはさりげなく、かなり細かく表現していますが
萩の花の香りには触れていません。
我が家に咲いた萩の花は多分ミヤギノハギだと思います。
採ってその香りを試してみましたが
無臭とまでは言えない微かな香りがしました。
少々いやな香りです。
よい香りがすると思われる方もいらっしゃるようです。
香りの感じ方も千差万別ですので・・・
紫式部も匂宮(今上帝の第三皇子。母は明石の中宮)を
介して
香り大好きな匂宮が
藤袴は手折ったけれど、
萩には目もくれなかったことを書いています。
無臭であったからなのか
微香であったからなのかは知る術もありません。
紫式部は知っていた!
萩の花には手折るほどの香りがなかったことを・・・
香りは不快な香りでも
合香(ブレンド)した時に思わぬ芳香に
変化することがあります。
萩の花もひょっとしたら
芳香に生まれ変わるかもしれません。
今月のお稽古
平安の薫物を聞香なさりたい方は
10月26日(土)午後1時30分より
お稽古をいたします。
お稽古場
東急東横線日吉駅下車徒歩3分
詳しくはお問い合わせ下さい。
※こちらからどうぞ。
※ご入会希望の場合は下記からどうぞ