秋の香りは菊の香り「菊花」 | 横浜の香り教室 平安の香りと親しむ平安朝香道

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東急電鉄日吉駅3分にある平安の香りを創り楽しむ教室です。平安時代、貴族や「源氏物語」の主人公光源氏がたしなんだ香り創りや楽しみ方をご紹介。(by平安朝香道 朝倉涼香)

秋の香りは菊の香り「菊花」

 

ご訪問ありがとうございます

平安朝香道の朝倉涼香です

 

日中はまだまだ暑いです。

昨日は結構暑かったですね。

気温の差が激しいので体調に気をつけないと!

 

日中暑いとはいえ、少しずつ秋の気配がしています。

 

 

今月の課題は「菊花」で秋の薫物

(様々な香をブレンドして蜂蜜で練り、丸薬状にしたもの)でした。

菊の香りを模した香です。

 

今は、菊の花は1年中お花屋さんで買えますが、

路地に咲く菊の花は10月から11月です。

 

我が家の菊は、雑草取りで色々な草を刈ってしまい、

今年は咲いてくれるかどうかわからなくなっています。

 

ところで菊の花っていつごろから日本にあるのでしょう?

 

菊の原産は中国大陸で、

日本には奈良時代以降に渡来したとされています。

 

「日本書紀」には685年9月9日

天武天皇が旧宮(ふるみや)の安殿(あんどの)の広庭で宴を催された。(菊の宴)

この日皇太子以下忍壁皇子(おさかべのみこ)に至る誰も彼もが

布を賜った。

 

とあります。

翌年9月9日に天武天皇が崩御。

それからしばらく菊の宴は催されず、

平安時代、平城天皇大同2年(807)に

菊花の宴として復活したということです。

 

平安時代より前の

白鳳時代にはすでに菊があり

宴が催されていた。

と言うことなのです。

 

菊の渡来と同時に中国での

重陽の日に菊酒を飲み

菊の花に不老長寿を願う習慣も

日本で行われるようになったのです。

 

現在は重陽の節句(ちょうようのせっく)

として親しまれていますが

重陽とは

 

9月9日は陽(奇数)が重なる日で

奇数の中でも一番大きな数字が重なる意味で

重陽と呼ばれます。

 

日本でも菊は不老長寿の花とされ

旧暦9月9日には菊の宴が催されました。

 

平安時代には宮中で行われた

「菊の被綿」(きくのきせわた)があります。

重陽の節句前夜8日に、菊の花の上に真綿をかぶせ

夜露で菊の香を移しその真綿で身体を祓い

無病息災と不老長寿を願いました。

 

その後江戸時代には菊の花に様々な品種が生まれました。

今ではごく身近な花ですが、

菊には古い歴史があるのですね。

 

長くなりましたが

その菊の香りを写した薫物「菊花」が

今月の課題だったのです。

 

目を止める、いえ鼻を止めるほどの華やかな香り

ではありませんがしっとりと落ち着いた

秋を思わせる薫物です。

 

ほとんどの方は好きな香りとおっしゃいます。

菊の香りを写しているかどうかは

お一人お一人の感じ方ですので・・・

 

1年は瞬く間に過ぎてしまいます。

来月は皆様お楽しみの「源氏合わせ」となります。