「荷葉」の香は懐かしい香り | 横浜の香り教室 平安の香りと親しむ平安朝香道

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東急電鉄日吉駅3分にある平安の香りを創り楽しむ教室です。平安時代、貴族や「源氏物語」の主人公光源氏がたしなんだ香り創りや楽しみ方をご紹介。(by平安朝香道 朝倉涼香)

「荷葉」の香は懐かしい香り

 

ご訪問ありがとうございます

朝倉涼香です

 

 

7月のお稽古には

暑い中お越し頂きまして

ありがとうございました。

 

行田での蓮の様子をお話ししながら

お稽古いたしました。

 

 

 

蓮の花の香りをご存じな方と

ご存じでない方がいらっしゃいました。

 

山田尼の「荷葉」を聞香なさって

どなたも素晴らしい気色

(平安朝香道では、その香を聞いた時

 どのように感じ思ったか。

 思い描いた情景や想いを気色と申します)

を述べられました。

 

蓮の香りを知ってしまえば

当たり前の香りになってしまいますが

知らないうちは脳がフル回転して

様々な想像が出来上がり、

過去の記憶も蘇らせてくれるのです。

 

 

 

 

一時中国で過ごされた生徒さん は、蓮の香りをご存じありません。

山田尼の「荷葉」の香りをお稽古で聞香され

「懐かしい香り」

とおっしゃいました。

 

蓮池の周囲を散策した時

どこからともなく漂っていた

あの甘い香りが

この「荷葉」の香りだそうです。

 

この方はもう蓮の花の香りを

既に言い当てていらっしゃるのです。

 

答えを知ってしまうと

「な~んだ、そうだったのね」

なのですが・・・

 

私はそのことが

とても大切なことだと思うのです。

薫物に合わせてある

一つ一つの香を分析できるのも

素晴らしい能力です。

 

香水の名調香師でも

和の合香家の名香司でも

どんな香りで構成されているのか

正確に言い当てられる

天才的才能をお持ちの方がいらっしゃいます。

創作なさる方には大変重要な要素です。

 

でも大切なことは

香りを聞いた方がどのような情景を想像し

どのような思いを持たれるか。

 

その方の心や身体にプラスになるのか?

それがとても重要なことなのではないかと

思っております。

 

 

丁度霧雨が降っていたかしら?

彼と相合い傘で蓮池に近づくと

ファ~~と甘い香りがして

池の周囲を散策している間

ず~とほのかに香っていた。

あの時の香りラブラブ

 

と彼女が思ったかは定かではありませんが

お稽古にいらした生徒さんは

 

中国で蓮池に近づいた時

香っていた香りであり

中国でよく香っていた香り

だとおっしゃっていました。

「荷葉」を聞いてその頃を思い出されたのです。

 

香りって思い出にも繋がりますよね。

悪しき香りもまた同じことが言えると思いますが、

どうせなら芳香を思い出にしたいものです。

 

「荷葉」が思い出を引き出させて

私もとても嬉しくなりました音譜