
子どもを育てるときの心は、さまざまな喜怒哀楽があります。
子どもがうれしそうな顔を見せてくれれば、親も同じようにうれしい気持ちになります。どこか痛むところがあって泣きじゃくっているときは、親も子どもと一緒になって泣きたくなります。なんとか痛みをやわらげてあげようと必死になることでしょう。
子どもが怒って体をバタバタさせていれば、何に怒っているのか親も真剣に考えます。そうした一つひとつのことを経験するたびに、自分が生きているということを実感するはずです。
この世には男と女しかいません。その男と女が一緒に暮らしていくには愛が必要です。そして、その愛の結晶が子どもです。その子どもを夫婦で育てていくところに、無限大の喜びが生まれてくる──私にはそのように思えてならないのです。
結婚しない女性は男ではなく社会と結婚した身です。また、社会全体がその人の家族のようなものなのです。人知れぬところでさまざまな修行を積み、人のため、社会のために尽くしていくのが役目です。
そんな人は、結婚しても世間と同じような暮らしをすることはできません。まして、独り身となっている人は、その責任感がますます強くなっていきます。ですから、女の幸せということを考える際は、このような人を参考にしてはなりません。
子どもを育てることは、本当の意味での幸せ、生きる喜びとは何かを考えさせてくれる貴重な手がかりなのです。