常識といっても、あまりにも複雑で漠然としていますので"和を持っての気配り"にしぼって学んで下さい。私は、和を持っての気配りが、何より大切であり、人間として必要なことだと考えています。
日常生活に目を向けてみましょう。朝起き、食卓に向かうと、みそ汁のおいしい香りが匂ってきます。「今日のみそ汁、おいしいね」一生懸命作ってくれる食事に対し、感謝の気持ちをこんな言葉で表せば、母親はとても嬉しいものです。何気ない一言で、食卓が和やかな雰囲気に包まれるものです。
こんなことわざがあります。『遠くの親戚より近くの他人』これはどんなに血の繋がりの深い親戚があっても、遠くにいるなら近所の他人の方が、いざというとき頼りになるという意味です。いつ何時、どんな災難が持ち上がるかもしれません。隣人は大切にしなければいけません。ちょっと旅行などに行った折、そこの名産物をお土産に、「よかったら召し上がって下さい。田舎の名産なんですよ」何気ないこんな気配りで、隣同士が仲良く暮らせるものです。
社会人にとっても、同じことがいえます。分相応をわきまえて相手と接する。自分が調子のいいとき、「私は自分の力一つでやってるんだ」といった態度を表すと、当然周りの人間に不快感を与えます。「この仕事の成功も、みんなの協力があったからこそできたもの」一歩下がったこんな謙虚な言葉を口にすることで、職場の同僚や上司、一緒に働く社員なども、あなたに好感を抱いてくれるはずです。
人間社会において、一番心地よい人間関係を考えて下さい。威張ることなく、強がることなく、自分の行動や業績に一歩距離を置き、まずは相手を認めることです。
人間に一番大切なことは何か。人と人とが助け合い、話し合う。お互いに会話を楽しむ。この地球上で生きている以上、『和を持った気配り』というものに目を向け、何気ないことから相手を思いやる心を持つ。そこから豊穣な人生を作りあげてほしいと考えます。