原始時代から、人は身体保護の目的で衣服を身にまとってきました。その目的が徐々に変化し、労働着は身体保護、家庭着は安息、おしゃれ着は美の増大、式服は清浄と威儀を正すという目的となりました。
着衣は人の心を変える大きな意味を持っています。そのためにまず一番大切なことは、衣服を着こなす知識を持ち、体型を保つことです。一見やさしいようですが、これこそ人間の生きる中における基礎となってくるものです。
自分の肉体が美しければ、無理して高価な物を身につける必要もありません。おしゃれの基本概念は、年齢や体型、そして経済力に合った無理のないオシャレです。
次に大切なことは、TPOに応じた適切な判断を持つことです。
お客様の訪問がわかっている場合は、来客の立場や来訪理由などを踏まえ、お客様に不快感や失礼を与えない服装が大切です。しかし来客が親しい人の場合は、かしこまった服装は避け、肩の凝らないものにする必要があります。
日常着の範囲で、フォーマルな装いを身につける、そんな相手相手の特性に合わせてのオシャレもわきまえてほしいものです。「オシャレ」の持つ意味はTPOに応じて、いかに衣服をコーディネートし、使いこなすか。それは、その人間の持ち合わせている「文化」にも繋がるわけです。
その場その場に失礼のない衣服の選定。女性の場合はそれ以外に、化粧があります。口紅ひとつアイシャドウひとつにしても、TPOをわきまえ、パーティーの席などでドレスの色に合わせて口紅の色を楽しむこともひとつでしょうし、冠婚葬祭の時など、清楚感あふれる口紅やアイシャドウの使い方をして、誰が見ても清楚で親しみの持てる化粧の使い分けをすることも大切です。
日々の人間の生きてゆく哲学の中で、自分をいかに変えてゆくか。今回は、日常生活の中で自分を一番端的に表現する衣服について考えてみました。