酔っ払ったマサキの脳みそはクソ

最低な言葉を楽しそうに吐いて笑う

その様子に私はいつも

笑いながら殺意を抱く


マサキと絡むとロクなことがない

でもマサキと絡むと一番楽しい

悪態も幸福も

全部覚えてないのが

めんどくさいし腹が立つけどね


前回の喧嘩の言い訳をしてたな

ごめんな、って謝ってたな

まじ最低、って笑った、私


おれ、お前誰にも渡したくない

渡したく、ねーの

おれが新しいパパになるから

るあが1人になっても大丈夫

子供の前で嬉しそうに言ってた

だめかー?って笑ってた


るあ一緒に寝よー

ぎゅーしてー

おれのそばにおってー


マサキの声はどんどん小さくなって

私を抱きしめたまま眠ってしまった


マサキが言ったことも

飲んだお酒の種類も量も

どこで寝てたのかも

マサキは何にも覚えてないんだよ


愛の言葉も告白も

朝目覚めたら全部まぼろしに変わる

私が覚えてても

マサキは覚えてないんだから


そうやって

何人もの女がマサキに振り回されて

泣かされてきたんだろう

マサキが1番楽しくて

1番クズだわ


ソファに放置したマサキが起きたから

離れたベッドから「おはよ」って言った

マサキは無言で近付いて

私のベッドにもぐり込む

私はマサキの腕に顔をうずめて

また眠気に流される

マサキの体の感触

覚えてきた


マサキと過ごした昨日

マサキがくれた言葉

本当はすごく嬉しくて

安堵感で満たされたのにな


やっぱりまた

ぜんぶ夢だった


あーもー

酔っ払いうっとーしー

酔っ払いうらやましい













マサキは最低な男だよ

まぁ俺も人のこと言えないけどね

ただマサキがそんな奴だってわかってて

性懲りも無く近付くるあも悪いよ



そう言って笑ったのはアキ

マサキの悪事を知り尽くしてる人

アキは相変わらずイケメンだけど

最近マウントしてくるからなんかきらい

昔は優しかったのにな、ちぇ


健太は

理由は言わないけど元気のない私を

学校の先生みたいに

必死で励まそうとして

長文ラインを連発する


なんだろう

出会った頃のやんちゃな健太と違ってきた

蛙化現象かしら

すごく幸せなことで

私が望むことでもあるのに

追われると好きな気持ちが減っていく


直也はいつもと変わらない

「るあ会いたいよー!」

って子犬みたいに絡んでくる

ほんと何もしたくなくて

ぼーっとしてたのに

直也に抱かれたら心も体も安定した


「るあ好きだよ、好きだよ」


直也の「好き」は

多分本当


マサキのセックスは消したくて

アキのセックスは虚しくて

健太のセックスはうしろめたくて

直也のセックスは私を満たす


誰でも嘘をつく

私は上手に嘘をつき通せない人はきらい


結局私

見えてる世界が幸せならそれでいい


男には男を

裏切りには裏切りを

それで私は

私を傷付けた相手とフラットに向き合える


マサキとのセックスは

やっぱりどーでもよかった


マサキの女になる人は

本当に気の毒だ


私は降りる









マサキは私を

自分がよく絡む人達と会わせようとする

男女問わず誰でも


自分を知って欲しいとか

自分の大事な人達を紹介したいとか

良かれと思ってやってるんだろうけど


マサキの歴史を知ってる人ばかりだから

マサキの女癖の悪さを

実際にあったことを兼ねて

私にいくつもペラペラ暴露する人もいて。

その場の空気よんで

そーなんですねーって笑うしかない私の


私の、心は


嫉妬、怒り、憎しみ、悲しみ、悔しさ

マグマのように渦巻いて

強い吐き気がした


何も知らなくていい

私、何も知りたくないのよ


私はマサキの

過去も、事実も、嘘も

全部知りたい訳じゃない

全部知って

それでもマサキを愛せる訳ない

マサキはクズ

片っ端から女を抱いて

めんどくさくなったら簡単に捨てる

マサキを憎んでる女はたくさんいる

逆にそれでも離れられない女もいる

それくらいマサキは

自己中のクズ男


そんなのわかってる

わかってるから


もうこれ以上

私に現実を突きつけないで

無駄に心を乱したくないの


嘘はバレなければ真実のまま

私が信じたものだけが本当になる


だから私

マサキの全部を知りたいと思ってないの


「るあだけが好き」


本当に私が欲しいなら

それだけ言って完全に嘘を突き通して


それができないなら

私の前から消えて

私に気を持たせるようなことしないで


マサキは最低な男


私を最高に幸せにするのも

最高に傷付けるのも

マサキだけ


めんどくさい人

最低で

だいっきらい











セフレ以上恋人未満なら楽

だけどお前は違ったから

出会った時からずっと

お前はめんどくさい


俺はお前のことを愛してた

それは変えられない事実


俺はあの時

お前と別れたつもりはない

お前のことを振ったつもりもない

俺はお前を待ってた

でもお前は俺の前から消えた


この世には

何色にでも染まる女はいくらでもいる

でもお前は違うんだよ

何色にも染まらない

誰にも染まらない

唯一無二


他の女なんかどうでもいい

変な噂がたっても全部覆してしてやる

俺は正々堂々生きてる

だから他の女と噂が立つのは腹立たしい


でも

お前との噂がたっても

俺は誰にも否定しない

俺はお前といたいから

こうして堂々とお前と会ってる


いつか俺とお前が一緒になることになっても

俺は誰にも責められることはない

後ろめたいこともない


だから


俺を信じろ






マサキが離婚して

私に言った言葉


あの日

私は幸せだった


信じよう、って思った

信じていいことが

うれしかった


あの夜

私は久しぶりに恋をした


マサキの寝顔や

肩や

手の温もりを

愛しいとおもった


たった一晩

あの夜だけ


私は幸せだった


幸せだったんだ…











どーして男の人って

歴代彼女を脳内に追加保存していくのか

女の方は別れた男なんて

とっくの遠に上書き保存

てかアンインストールだわ


ずっと誘いをかわしてた元彼の優羽ちゃん

暇だったしゴハンだけならいっか、って

おいしいお肉とケーキをごちそうになった


今までお互い友達みたいに接してたのに

送ってくれて到着する直前に

急に手を握ってきた


大好きだった人

いっぱい嫉妬もしたし

結婚してもいいって思った人


でも


「気持ちわる」


って思った


やっぱ男の人はみんな(←主観)そう

別れた女は今でも自分の自由にできるって

あの頃のままだって思ってる節がある

私もナメられたもんだわ


「ホテル行く?」


「ムリ」


そっこー返事した

ムリ、絶対ムリ


誘いに乗った私がバカでした

ごめんなさい


暑くなってきたから

男の人は性欲が増す(らしい)


私はセックスが好きなんじゃない

好きな人とするセックスが好き


セックスしたいなら

お金を払ってプロにお願いしてください


「もぅ優羽ちゃんと付き合ってないから

    エッチしないよ♪

    今日はありがと♪またね♪」


「またね♪」はうそです

もう会わない









昨日マサキがうちにきて

一緒にご飯作って

マサキはお酒を飲んでご機嫌

私に話を聞いてほしくて

ずっと笑って喋ってた

うんうん、って聞いてたら

ふと黙って

笑顔のまま私を見つめる

子供もいるから何も言わないけど

こうゆう時二人なら


「お前綺麗やな」


「お前のことすきよ」


ってゆうから

多分そう思って見つめてるんだろう


話せば話すほど

知れば知るほど

マサキとの生活価値観は合致する

お互いが求めてること

お互いが補える

何よりマサキと一緒にいると

気を遣わない

マサキの前では本当の私でいられる

本当の私を愛しく思ってくれてるのがわかる

マサキとなら結婚してもいい

そう思った夜だった


なのに私は今日

直也と会う


「会いたかったよるあ」

「好きだよ」


仕事が忙しくてなかなか会えなかったから

ガマンしてた分直也の勢いが止まらない


やっぱり直也は最高

顔も体も本当に私の理想通り

直也、髪伸びたなぁ

なんだこのイケメン

私を抱きながら悶える彼が

愛しくてたまらない


「ねぇるあ、俺もっとるあに会いたいよ…

    だって1ヶ月に一回じゃん…」


悶えながら拗ねてる

可愛い


「ごめんね?」


繋がったまま直也に抱きついた


「またすぐ誘ってもいい?」

「いいよ♡」


直也が嬉しそうに笑って

私に打ち付ける


直也は素直

直也をいくら抱いても飽きない


昨日までマサキとの人生を考えてたのに

今日は直也とセックスしてる


私がマサキと暮らすって言ったら

直也はなんてゆうんだろう

怒って別れるかな

それでもいいからこのままで、って言うかな

私はこのままずっと

直也とセックスできる関係でいたい

心と体を満たす相手が

私は別々


自制心があって法律に忠実で

人を裏切ることは罪

それが当たり前の人はすごい

私もそっち側の人間だったはずなのに


真面目で正しく生きてる人ほど馬鹿を見る

痛感してから

真面目に生きるのが

バカバカしくなった


どう生きても私の人生

今まで真面目に生きてきた分

今はモラルより

本能のまま生きていたい












体の相性って大事

みんなそれぞれ色んな性癖があるし

相手に愛情がなくても

なんなら嫌いでも

「セックスが合うから」という理由だけで

離れられない人達もいっぱいいると思う


最近マサキといる時は

私がエロい空気作らないから

マサキも黙ってるけど

マサキの本性は癖のあるド変態

詳しいことは言えないけど

マニアックすぎてタチが悪い

私はマサキの性癖に興奮しないから

別にしなくていい


でもたぶん

それがいいってゆう女はいて

マサキはその女とは関係を切れない気がする

だって欲を満たしてくれるから

お互い貴重な関係でしょ

愛がなくてもセックスはできるし

快感は得られる


私をセックスで満足させてくれるのは

やっぱり直也

2番は健太

2人とも丁寧で

愛があって

体の相性もピッタリ


直也は職業柄

ちゃんと気持ちを言葉にするのが得意

セックスの最中も

私を見ながらたくさん言葉をくれる

可愛いよ

すごくセクシー

大好きだよ

会いたかったよ

すごくエロいよ


そして

昔は言わなかった


「愛してる」


溢れる感情を言葉にしながら

抑えきれない衝動で私を抱き寄せる

それが嘘か本当か

バカな私でも判断がつく

たぶん今の直也は

他の女に同じことはしない

そう感じるから

直也の「愛してる」を

喘ぎながら誤魔化した自分に

罪悪感があるのに気付く


愛してるって言えたらいいのに

私は誰を愛してるかわからないから

その責任が取れない


直也とセックスすると

心も体も満たされる


だから

大好きよ、直也













アキと久々にごはんいって

セックスして

あれから一回

ドライブした

自粛中だったから

何しようってなって

私の車洗車して

海に連れてってくれた


特に何をするでもなく

喋るでもなく

二人でボーっと海を見てた


最近お互い忙しかったから

何も考えずに現実逃避するの

すごい楽だった

嫌なこともしんどいことも

やらなきゃいけない面倒くさいことも

全部どうでもよくなって

モヤモヤ、セカセカした感情が

波の音に浄化される感じ


見上げたアキの横顔は

私好みのイケメン

どんな女にも深入りしない

ただただ気の利くジェントルマン

でも私は

彼は羊の皮をかぶった狼だとおもう

ああ見えてあざとい気がする


また狂えばいいのに、私に


車の中で急に手を繋いだ

アキから繋ぐなんて珍しいな

ぎゅってしたら、ぎゅってし返してくる


別れる間際まて離さないから

アキの手にちゅってキスした


「また、ね♡」


アキは可愛い

最近マサキが私と絡みたがるから

ちょっと遠慮してる

また大丈夫になったら

ごはんいって

アキんちでまったりして

抱き合おう


私は

アキの一番にもなりたいんだよ











ここ何ヶ月か忙しいし自粛だし

マサキ意外の人と絡んでなかった


健太は離れてる間

私のことを心配してくれて

励ましてくれて労ってくれて

会える余裕ができるまで待ってくれてた

会ったのは3ヶ月ぶりだった


健太は優しい

会う度どんどん私を好きになっていく


「お前を抱いていいのは俺だけ」


そう言って後ろから強く抱きしめて

首筋に、背中に、キスする


ごめんね、って思う

健太だけの私じゃない


直也は前より私を大事にするようになった


「会いたかったよ、るあ好きだよ」


「可愛いよ、るあ」


直也も私にどんどんハマっていく

狂おしく私を抱くところや

逞しい身体が好き


「誘うのいつも俺ばっかりじゃん」


て拗ねてた


「周りに俺ら付き合ってるって言ったら

    きっとみんなびっくりするよね」


びっくりってゆうか

ちょっとした修羅場かな


「マサキやアキに言って

    いや俺もるあとヤッてるしとか言われたら

    俺ホントに嫌なんだけど笑

    え、大丈夫だよね?!笑」


「ないないー笑」


私どんな顔してたんだろう

嘘は苦手

想像して言い訳はムリだなとおもった

その時はみんな失うかもな

それでいいのかな

一番失いたくないのは

誰なんだろう












最近マサキの奥さんをよく見かける

マサキの車でウロウロしてる

今はまだ夫婦で家族だから

マサキの車を自由にできるのは

奥さんの権利

一瞬モヤモヤするけど

やっぱり愛されてない彼女は可哀想


今日マサキが手料理を持ってきて

代わりに私の料理を食べながら

離婚について話してた


「今までこんなに好きになった人はいない

    でもこんなに大嫌いな人もいない」


それが奥さんが離婚を決めた理由

マサキにはそれが理解できない

でも私は

奥さんの気持ちがすごくわかる

マサキはそうゆう男なんだ

マサキに関わった女は

みんなこの理由で別れを決意するとおもう

マサキは悪い男

自覚がないのが余計悪い

思わせぶりで誰にでも優しくて

期待させて好きにさせて

女が本気になったらサッと身を引く


きっと奥さんは

ずっと苦しかったとおもう

愛すべき人に愛されず

女の影に嫉妬して

あちこちで聞く女の噂に消耗する


「おれ、なんでも0か100しかなくて

    決めたら動くの早いんだよ」


マサキは自分の家を出て実家に帰る

でもたぶん

一緒に暮らす?って私が言ったら

来ると思う

何年か前に願った現実が

もしかしたら叶うかもしれないけど

それは今の私の願いではない


たった一人を愛する自分

たった一人と暮らす自分

そんな自分になる時がくるとしたら

今のところ

相手はマサキだとおもうけど

そんな憧れは

瞬きする速さで消える


「マサキの奥さん」は

リスクのあるポジション

しんどいし

まず私が自由でいられない


でも


この先

私は誰とどうなるんだろう

今さえ楽しければいい

そんな日々を続けて

行き着くのは何?

私が本当に求めているものは

一体なんなんだろう
 
何が正解なんだろう