待ちくたびれたうえに、更にここから始まるロングフライトは気が遠くなるほど長い。
が、この行程に堪えなければ南米の地を踏むことは許されない。
まずはロスからヒューストンまでの3時間10分のフライトだが、このフライト時間は疲労しているとはいえ経験からくる免疫力で問題なさそうだが、ヒューストンでの乗り換え時間が1時間15分しかないのが若干気になる。
過去ヨーロッパで同じエアラインで乗り継ぎ便に搭乗予定だったが、日本人の私ひとりなどどっちでも良かったのだろうか、最初のフライトが遅れてゲート移動に時間が掛かり、汗をかきかき急ぎはしたが、すでに飛行機はドアを閉め、滑走路に向かおうとしていた。
午前中の最後の便で、その後は何と夕方までフライトがなく、街中に行くにはバスで1時間もかかり、空港で5時間ほど当時のヨーロッパの航空会社の対応に激怒しながら、仕方なく待ち続けていたことが思い出される。
サービスの悪さが当たり前のようだった海外エアラインに文句を言ってもラチがあかないとは知りつつも、若いがゆえに呪いたくなった気持ちも正直あった気がする。
万が一、今回のトランジットで乗り遅れてしまえばと、過去の数回の悪夢の経験から初めてのヒューストン空港の施設環境も分からず気が気でない。
もちろん集中力も激減し、思考回路もほぼ作動しないほど疲労している体調では、間違いが発生しやすい。
ましてや不慣れで苦手なアメリカも不安をつのらす大きな理由。
ここまで大げさに書きはしたが、ヒューストン到着後はゲート移動もスムーズに進行して、10分ほどラウンジに寄り道する余裕もあり。
エコノミー席ではあるが、スターアライアンス・ブラック会員カードを片手に早めに搭乗して、手荷物のスペースを確保する。
後は満席でないことを祈り、シート移動を試みるタイミングを計るのみ。
日本からすでに18時間ほどが経過してお疲れだと伝えると、黒人の女性のクルーの人が私の意図を汲んくれて親切に空席状況を教えてくれる。
全員の搭乗アナウンス後、運良く窓際の2席を使用することが出来るシートに座ることが出来て、ひとまず一息つく。
ここから中米大陸上空から南米大陸をほぼ北から南までを飛んで行く。
今回の目的地はこれまでに10回訪れたブラジルではなく、初体験のアルゼンチン・ブエノスアイレスで、13時間のフライトとなる。
常に世界に目を向け、新たな取り組みを計画して、誰にもまね出来ないファッションを先駆けることへのチャレンジは、2011年も継続です。
もちろん苦労は多いが、ファッション人間としてのプロ意識と自負心とが重なり、現実的な夢を求めて、先駆けることへのこだわりは言葉では言い表わせないほど魅力的でやりがいを感じる。
あえて選んだ今年最初の海外出張も、言葉も含めておそらく想像以上の困難が伴う未経験の地からの出発となったが、負けず嫌いの性格が後押しする。
ロングフライトにグチグチと文句を言ってきたが、日本人がいない機内は己の気持ちを確認して気合いを入れるには最適な場所かもしれない。
ひとまず、ここから無理してでも到着まで眠りにつきます。
cheers