2シートを独占出来たおかげでスペース的にはもちろんだが、疲れきっている身体には随分と有り難い。
ブエノスアイレス行きのフライト機内食後は、何を差し置いても当然睡眠優先を試みる。
が、疲れきっているはずの身体で眠っているはずだが、大きく揺れるたびに一瞬意識が戻る繰り返し。
毎回そうだが、気流が悪いのか南米大陸上空は思いのほか揺れが激しい。
その度にシートベルト着用のチャイムがなり、飛行機嫌いの私には揺れのたびに緊張してしまっている。
そのおかげで中途半端な眠りとなりはしたが、搭乗前には気が遠くなるほど長いと思っていた13時間のフライトもほぼ終盤戦となり、到着までの2時間ほど前からはアドレナリンのボルテージが上がり、妙に騒ぎ始める。
初上陸となるブエノスアイレス・エセイサ国際空港に到着、いよいよここからアルゼンチン初体験となるわけだが、イミグレーションで入国スタンプをもらうのにロスでアメリカ式の入国審査に続き、またしても大行列で想定外の状況に一瞬興奮していた気分が萎んでしまう。
成田を出発してからすでに31時間が経過して肉体的には忍耐の限界ではあるが、入国スタンプをもらい、預けていた2つのスーツケースにも無事に再会出来て、ふたたび気分の高揚を感じる。
外に出て久しぶりに太陽の光を浴びて背伸びをすると身体は正直に反応してアクビの連発だが、まぶしすぎる夏の陽射しが心地いい。
タクシーに乗り、予約していたホテルに向かう。
午後12時過ぎにホテルに到着したが、残念ながら部屋の準備が出来てなく、仕方なく更に我慢の1時間半ほどをロビーのソファーで過ごす。
南米のパリの名で親しまれ、南米の中で最も美しい町の一つとして言われる理由が、空港からホテルまでの移動中のタクシーの車窓から見たその町並みで十分に納得出来た。
cheers