サンパウロのショールームにお邪魔している時に、後ろから日本語で話しかけて来るひとがいた。
その時は一瞬、誰だか分からなかったが、驚いた事に彼の名は、Emerson Leao / エメルソン・レオン。
サッカー通の人であれば、当然誰でもが知っているブラジルサッカー界の重鎮で、現役時代はGKでブラジル代表の守護神として、4度のワールドカップに出場して活躍していた。
現役引退後の1992年に、指導者として日本のJリーブ清水エスパルスの2代目監督として来日。
その後、日本では1995年からヴェルディ川崎の監督、2005年にはヴィッセル神戸の監督を務めるなど、指揮官としての能力も賛否両論はあるが、結果次第のスポーツの世界、本人にしか分からない事は数多くあるはずだろう。
2000年には本国ブラジル代表監督も務め、サントスFC、クルゼイロFC、サンパウロFCなど、87年から日本の3チームを含めてトータル25チームの指揮官を務めたほど、まさにブラジルサッカー界の重鎮で実力者であることは、まぎれもない事実。
偶然とはいえ、そんな有名人にサンパウロで出会うとは、昨日までの不運続きの霞が晴れて、一気に高揚した気分に変えてくれる。
その後は仕事に集中していたが、彼が帰る時、わざわざさよならを云いに来てくれる。
まさにホンモノのアスリート、競技中とは違う紳士的な穏やかな人柄が垣間みれた。
存在感がある実力者は、どの世界でも他人にとやかく言われがちだし、メディアがうたう事だけが事実として捕らわれがちだが、本音のところは本人にしか分からない。
もしかすると、2016年リオ デ ジャネイロ開催のオリンピックで、ブラジル代表の監督も夢の話ではないかもしれない。
Obrigado