The goddess melissa | Ready Steady Go!

Ready Steady Go!

Season Concept
   ~ London Eye ~

短時間であれ、これほどまでに恐怖感にさいなまれるとは思ってもなく、海外/異国での生活習慣等をなめたらいけないということを、今痛いほど感じている。

市内中心地まで距離にするとそんなに遠くないはずだが、夜、迷子になれば本当に身動き出来ず、かと言って泣くわけにもいかず、とにかく何とかここから移動する手段を考えるしかない。

相変わらず小柄なブラジル人のおじちゃんは、ポルトガル語が理解出来ない自分に対し、ずっと何かをしゃべり続けている。

その時、女神が我々の前に現れた。

赤い車に乗ってガソリンを入れに来たブラジル人女性は、英語が話せるらしい。

我々の事情を話し助けを求めると親切に対応してくれて、まずはこれまでにまわりの人間がずっと何を言っていたかを説明してくれる。

彼女いわく、彼ら全員がそれぞれにお金をくれれば、俺たちが道案内してやると言っていたらしい。

が、もし信用して道案内の為に車に同乗させることは、あまりに危険が伴う。

万が一を考えると、とても行動に移せない。

考えついたのはタクシーを見つけ、先導してもらう方法だが、我々がいるこの場所にタクシーは通りそうもない。

更に彼女にタクシー会社に電話してもらうが、場所柄断られてしまう。

彼女が案内してくれるのが一番いいのだが、これから仕事に行かなくてはならず時間がなないと断られてしまう。

やはりこの場から自力以外で脱出は不可能なのかと途方に暮れるが、八方ふさがりで涙目?の我々に同情してくれたのか、彼女がとりあえずタクシーが拾える所まで先導してくれるという。

やはりここはかなり治安が悪い、危険な場所らしい。

我々には彼女しか頼る人はなく、車で走る事15分くらい、人通りがある安全なショッピングセンターまで先導してもらい流しのタクシーを止め、ドライバーと交渉してくれて、苦境から脱出することが出来た。

異国の見ず知らずの人間に、ここまで親切に対応してもらったことに感謝のひと言ですが、深々と頭を下げお礼を言うと、笑顔で走り去って行った。

彼女のmelissa /メリッサという名前しか聞けなかったが、本当にいい人で良かったと、、、、、、

彼女の名前も今の自分にとっては、不思議な気がしてしまう。

20分後、やっと目的地にたどり着くが、実はレンタカーの返却時間は19時で、すでに3時間以上オーバーしている上に、満タンにしたガソリンも迷子になり高速道路を長距離走行した為にかなり減ってしまっている。

無茶な行動をしたわけではないが、一歩間違えばとんでもない結果が待ち受けていたかもしれず、この後、猛省したことはいうまでもない。

カンブリを出発してからすでに7時間半が過ぎ、海外の怖さを痛感した長い1日が、やっと終わろうとしている。

合掌