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   ~ London Eye ~

2010年春夏コレクションも、ここパリのレディースを最後にほぼフィナーレを迎えた。

わずかに東京でのコレクション発表が残っているそうだが、哀しいかな、さして興味がそそられないのも事実。

パリから帰国後は、やらなければならないことが山ほどあるのに思うように進まなく、プレッシャーを抱え気は焦るが、すべてが中途半端で達成感が乏しい。

もちろんすべてに完璧はあり得ないが、それでも思い描く理想に少しでも近づけばと日々頭を悩ませているが、理想と現実とのギャップは計り知れない。

これまでにも何度か経験したが、ファッションにワクワク感が感じられない時期がある。

自分が歳を取り過ぎたのか? 最近のファッションに夢がなくなったのか?

アメリカンスタイルを除くインポートを愛して止まない姿勢は不変だが、ことビジネスとなると受ける側のキャパシティもあり、理想だけでは進行しない。

特に今の若者のファッションに対する価値観には疑問もあり、教える気持ちはあっても聞く耳を持たないというか、根本からのモノに対する意識のスタートラインが別物のような気もする。

社会秩序が大きく変わりつつある現在、先を読む目は不可欠だが、果たして賛否両論がある中で、メディアがやたらと取り上げる、ひとり勝ちといわれる U に夢を語れるファッションが期待出来るのか?

簡単に情報だけは入手出来る世の中で、それだけで満足してしまう人間が増え、そこをターゲットに世知辛い商法が氾濫しているように思うが、経験に勝るものはないと自負しているがゆえ、正直もどかしい気持ちになる。

世界的な不況を予言した Jacques Attari/ ジャック・アタリ氏は今後の日本の課題のひとつに人口の高齢化を補うために移民を受け入れることとうたっている。

アジアという立地で島国の我が日本で、日本語を母国語としてほとんど他国語を耳にすることが少ない環境と、世界でもトップレベルの治安維持の為には、彼の提案に少なからず問題もあるのかもしれないが、異文化を経験することで価値観に変化が生じて、物の見方も変わる必要性はあるはず。

右へならえのこうあるべき、こう着るべき教育は、個性を失っている。

かたちに捕われない個性重視の方が、絶対に魅力的である。

日本の伝統的な良いところは継続すべきだが、世界の目線で見れば改善した方が良いところもかなりあるはず。

いつまでも井の中の蛙でいるわけにもいかない。

見聞の狭いことや、それにとらわれて、さらに広い世界のあることを知らないことのたとえ。
井戸の中のカエルが、東海に住むカメに、自分の住居の楽しさは無上であると自慢したところ、カメが海の話をし、海では千里も遠いうちに入らず、千仞(じん)の高さも海底の深さに達せず、時の長短や量の多少でいっさい計れないのが東海の大楽であるというと、カエルは驚きあきれて、返すことばもなかった。と

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