Ian Batten /イアン・バタン、彼の名前を聞いてピーンと来る人は、かなりの英国ファッション通であることは間違いない。
何が言いたいかといえば、当てはまるひとりが私であることはまぎれもない事実だと、、、、、、、
正直、彼の存在を知っている人はそんなにいないはずだが、彼が英国で自身のブランドを立ち上げたのが、1990年だったと記憶している。
偶然彼の存在をロンドンで知り、アトリエに出掛け、彼の当時のメンズコレクションに惚れ込んだひとりで、日本人として初めて彼のコレクションを日本に紹介したのです。
初対面の彼の印象といえば、19年前の記憶をたどれば、ひとことで言って、変なおっさん(失礼)、ちょっと変わった雰囲気をかもし出していた英国紳士?だったような気がする。
その時、おそらく彼のサンプルコレクションのワンアイテムのコートを試着して、アームのサイズが妙に自分にフィットせず、パターンが良くないとパターンも引けない自分がいっぱしの指摘したような気がする。
その後、自分で着てみて、何度も何度も言われたことを確認している姿が今でも忘れられない。
きっと納得出来なかったはずで、こいつはいったい何ものなんだと思われたふしがある。
それから約5年間ほど、彼の毎シーズンのコレクションを日本で紹介して、オーダーを取っていた。
これまでの歴史を振り返れば、懐かしいさがよみがえるが、今回のロンドン滞在中に彼に会おうと連絡したところ、8日の水曜日21時から、BBCチャンネル4で彼と彼の孫たち7人のドキュメンタリー番組が1時間に渡り放送されると聞かされる。
当日、テレビの画面からデジカメで撮った御歳66歳のご長老の彼の雄姿?の4枚
孫7人を引き連れ、車に乗せてロンドン郊外に小旅行出掛ける運転席で、ドライバーのユニフォームに身を包んだイアン。
翌日の朝刊、THE TIMESに大々的に番組のすばらしさが絶賛されていた記事と、一緒に掲載されていたイアン&7人の孫たちの笑顔が素敵だと感じた。
☆ Grandpa wins the generation game ☆
そして地下鉄に乗って木曜日の午後、陣中見舞いと称して彼に会いにショップ&アトリエまで出掛ける。
孫の女の子も番組上でも嫌がっていた、いきなりほっぺにディープキスで、いつもと同じ歓迎対応で迎えてくれる。
アフタヌーンティー カップを片手にカメラ目線でポーズをとるイアン
アトリエの壁には、7人の孫たちの写真が、、、、、、、
もしかして、一夜にして一躍有名人となり、店先には行列が出来ているかもと、冗談とも本気とも取れる期待もしていたが、そこまでの情況はさすがに起こっていなかった。
雑談と商談で1時間ほど時間を過ごし、また再会を約束して、彼のお別れの再ディープキスで、ほっぺたがツバキでべっちょりするほど抱きしめられて、店を後にする。
長い人生の中では、気持ちが停滞してしまう時も正直あるが、今日彼に逢って彼の持ち前の明るさといつまでも老いないパワフルな元気をもらい、気持ちのスイッチを入れ直すことが出来た。
帰りの地下鉄の中でずっと考えていたことは、年齢に関係なく、いつまでも若々しい気持ちを持ち続けることが大事なんだと、再認識させてもらった。
日本では体験出来ない貴重な1日となり、不思議な気持ちが余韻として残っている。
all the very best in London