Taxi driver who gets irritated | Ready Steady Go!

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Season Concept
   ~ London Eye ~

真っ青な空が印象的な初夏の暑いパリは、22時を過ぎてもは外明るく心地いい。

日中は気温は30度を超えているようで、エアーコンディショニングなしではちょっときつい感じだ。

到着した翌日の日曜日の10時から展示会廻りが始まるが、お歳のせいか?あくびの連発で体力的には黄色信号がともるが、限られた時間しかなく気合いでこなして行くしかない。

毎回そうだがヨーロッパでは週末の展示会開催が多く、2週間は休みなしのハードスケジュールとなるが、いつものことで仕方ない。

今回予約したホテルは初めての滞在となるが、内装にこだわったデザインホテルでリーズナブルな料金に加えて、スタッフも親切かつフレンドリーでとにかく心地いいのひとこと。

これに反して思い出したくもないが、CDG空港から乗ったタクシードライバーはこれまでの中でも、ワースト3に入る最悪のドライバー。

空港のタクシー乗り場の順番でそうなった時から嫌な予感がしていたが、有り難くないほど的中していらつくこととなる。

珍しい女性ドライバーだが、ルックスは一目では区別がつかないほど大柄な女性で、あまり愛想が良くない。

何となく地理に詳しくなさそうに感じて一瞬心配がよぎるが、ナビゲーターも装備していることからつい油断してしまったが、別のディストリクトに行ってしまい、尚かつ途中、街中の土曜日でパリらしいゲイピープルのパレードがあり、道路閉鎖も重なり、踏んだり蹴ったりでホテルになかなかたどり着けない。

遠回りをしていると途中何度か文句を言ったが、彼女はフランス語しかしゃべれず、一気にまくしたてる彼女の言い訳が始まるが、過去これまでに聞かされてきたフランス人ドライバーと同じで、デモストレーションで道が閉鎖、もしくはその道は込んでいることから気を利かして選択した道順だと、納得は出来ないが意思疎通が不完全なまま時間だけが過ぎて行き、最悪の状態となってしまう。

ツイていない時は得てしてこういうもんだが、出来る限り早くチェックインしたい心境に反して、エアコンもない車中でゆでダコ状態にされ、疲れと暑さでフラストレーションばかりがうなぎ上りで、言葉が通じないだけにやけくそというか、文句を言うのも嫌になり、私の2倍はありそうな体格にビビってしまい?その後は開き直ってもうどうでも良くなった。

とんでもなく時間は掛かるし、料金は余分に支払わなければならず、何でこうなるのかと持って行き場のない苛立ちからのスタートとなり、ANAのクルーの人に親切にしてもらった機内までの幸運は何処へ?

ホテルに到着した時にはCDG空港を出発してから1時間半も経過していて、アンビリーバブル。

しかしながら、通じない言葉で無駄な時間を使うより、ここは文句があっても静かに納めた方がいいと判断して、納得出来ないが渋々料金を払い、こんな最低の対応をする彼女には二度と会うことはないと、珍しくおとなの対応?で一軒落着。

同じストリートネームがふたつのディストリクトにあり、本来は間違った本人が悪いはずだが、彼女の口からは、さもふたつあることが悪いと言いたげだ。

交渉するのもアホらしいが、こういう時にことばのハンディキャツプを感じて、自分のボキャブラリーのなさに歯がゆさは残り、正直落胆してしまう。

久しぶりの巴里、最初からつまずいた感じだが、ツキのなさはあくまでも一瞬で、この後は想像通り順調に進行して行きそうな予感がする。

海外での少なからず誰にでも起こりがちな、旅につきものの有り難くないおみやげには、正直うんざりさせられるが、異文化ゆえのこれも致し方ないことなのかもしれないと諦めの心理が顔を出す。

チェックインして6階の部屋のキーをもらい、小さなテラスの窓を開け、西日が部屋に射し込む夕方の風景をぼんやり眺めながら、つとめてリラックスに専念する。

ゆっくりとしたひと時が過ぎて行くが、眠りに付くまでの貴重な時間と空間を噛み締めて、明日からのハードスケジュールに備える。

瞼が自然とおちて来るほど睡魔は容赦なく襲って来るが、それでも食欲には勝てず、ホテルの近所のビストロで、赤ワインと7時間煮込んだと説明を受けたラム肉の美味しさで、いつの間にか頭の中から不愉快な記憶が飛んでいった。

東京のジメジメした鬱陶しい梅雨空から、エスケープ出来ているだけでも有り難いはず。

ワインの酔いも手伝って、今晩はこのまますぐに眠れそうだ。

good night