ANA MEETS ARTS SHORT FILM COLLECTION in NH205 | Ready Steady Go!

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Season Concept
   ~ London Eye ~

私のANAの空の旅のお供に、ここ最近は欠かせない存在となっているANA SKY CHANNEL

その中でもとりわけ、短編で簡単に観れるANA MEETS ARTS SHORT FILM COLLECTION / ショート・フィルム・コレクションがお気に入り。

5月の2回のブラジルの旅では、時間は十分にあったにもかかわらず、体力的に集中出来ず見逃していた。

6月に入りプログラムは一新されているが、まずは欠かせないショート・フィルム・コレクションの作品3本を、狭い機内ながらいつものように自分だけの空間確保と自分なりのこだわりに酔いしれながら、赤ワインにブリチーズをおつまみに鑑賞。

最初の作品は、オーストラリアの Clayton Jacobson / クレイトン・ジャコブソン監督のタイトルTANAKA / 田中で24分間のストーリー

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オーストラリアメルボルンに30年以上住んでいた田中ヒロシという日本人男性が胃がんで亡くなったが、その知らせが日本の家族に送られて来たところから、この映画は始まった。

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家族を代表して甥の田中モリが、はるばる日本から駆けつけ、持参した彼の両親の手紙を教会での葬儀で読み上げ、そこから事態は少しずつ進行して行くが、オーストラリアの家族たちはどこか様子が変?

教会での葬儀後、オーストラリアの家族の家で送る会を行うが、モリが日本サイドの意向として叔父の遺骨を持ち帰ろうと日本から持参して抱えている骨壺の存在が問題に、、、、、

オーストラリアの家族の説明では、ヒロシはこのオーストラリアに埋骨して欲しいと遺言を残していて、更にいつまで経っても紹介されない奥さん?の存在を別室に連れて行かれ聞かされる。

ヒロシはホモセクシャルだったと説明したオーストラリア人の初老男性が、ヒロシには女性の奥さんの存在はもともとなく、私と30年以上連れ添いゲイカップルとして同居していたと聞かされ、モリは動揺してトイレに立てこもってしまう。

日本にいるモリの父親 ( ヒロシの兄 ) から電話がかかって来て, 遺骨と奥さんと一緒に撮った写真を持ち帰るように依頼される。

この映画の内容はさておき、外国人が描く日本文化とは未だこういう感じで、モリがトイレに立てこもってなかなか出て来ない時に、オーストラリア人たちは、もしかしたら腹切/ ハラキリしているかもと心配していた。

この腹切/ ハラキリということばは、時々私も海外滞在中に外国人から耳にする。

サムライの時代 ( 平安時代に武士の自決法としてはじまり、江戸時代に武士に科した死罪のひとつ) の話だが、時間が止まってしまっているかのような、時代錯誤も甚だしいことだが、未だ外国人がイメージする日本文化の象徴なのかもしれない。

そして、これも不思議なことだが、海外では日本人の姓では田中という名字が有名。

この監督もそうだが、私が知っている外国人が知っている名字も田中姓が多い?

意図的かどうかは分からないが、田中モリのルックスも含めて昭和30年代、40年代頃の日本を見ているようだった。

2本目は、アメリカ A.J.Eaton / A.J.イートン監督のThe Mix-Up / ミックス・アップは、肩に力を入れないで気軽に観れるが、ありがちな内容とアメリカ産ということで紹介はパス。

3本目は、チェコのIvan Shvedoff / イバン・シュベドフ監督のBye, Mama! / バイバイ ママで11分間のストーリー

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14歳の少年がスーパーマーケットで万引きをしようとすると、突然見知らぬおばさんが話しかけてくる。

誰かと間違えたようだが、私はてっきり過去に亡くなった彼女の息子/ ホンザでもを思い出したのかと思った。

ママと呼んでとか、抱きしめていいとか、色々と少年にリクエストする。

少年は面倒臭そうに対応はするが、それでもすべての彼女のリクエストに応え、彼女は最後にバイバイママと言ってもらい、買い物を終え満足したかのように店を後にする。

そして、少年はチョコ、水とアイスの3つを持ってレジに向かい清算してもらおうとするが、レジの女性の口から出た金額 2,100チェココルナを要求され驚く。

理由はさっきのおばさんが先に買い物した分までが、この少年に加算されて請求されている。

ビデオカメラでふたりの様子を知っている店のスタッフたちは、おかあさんの分も支払ってと、、、、、、、、

この時はてっきりこのおばさんの詐欺かと思ったが、彼女は少年のポケットに自分の名刺を入れてあって、ある夜少年はその住所を尋ねる。

さも少年が訪ねて来ることを知っていたかのように、やさしい表情で家から出て来た彼女 ( この時初めて彼女の名前が分かるが ) イレーナはスーパーでの自分が買い物した代金を返し、お茶でもどうぞと少年を家に向かい入れる。

『 あなた、本当は悪い子じゃない 』

少年の名前は、イエルカ

訪ねた彼女の家のポストには青少年育成センターと、そして彼女の肩書きは心理学者/ イレーナ・ミラノワと、、、、、    

ここでハッピーエンド

シェードを上げて窓から見えた白い雲と蒼い空が、妙に眩しかった。

そろそろ到着のアナウンスで、3ヶ月ぶりの巴里に再会。

cheers