今回で3回目となるが、これまで英国で受けた長年の教育のお陰というべきか、過去も今もアメリカ文化にまったく興味がなく、20年間食わず嫌いのごとく、一生行くことはないと思っていたはずが、仕事で繁々と訪れるこの頃。
少しでも興味を引くものに出逢えれば良いが、おそらく皆無と断言できるほど、こよなく好まないのは、日本に参入しているアメリカ文化が肌に合わなく、どこか希薄な感じが拭いきれない。
サンフランシスコ経由でラスベガス入り、空港からタクシーでホテルに直行してチェックイン、どこのホテルも部屋数が数千部屋あり、巨大施設の中をとにかく歩き回る羽目になるギャンブル/カジノホテルは、私とって夢が感じられない。
英国人の言葉を借りれば、フェイクの街、もしくはマネキンの街と呼ぶにふさわしい、まさにそのもの。
今回は展示会場が隣接していた空港から一番近いホテルに宿泊。
唯一、満足出来たことは、低価格のわりにはリビングルームとキングサイズのベッドルームの2部屋に、広いバスルームに大きくて深いバスタブ付きで、調子に乗り毎日朝晩2回の入浴タイムを日本から持参した入浴剤とともにリラックスタイムを愉しんだことぐらいだ。
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![true-1744](https://stat.ameba.jp/user_images/20090324/23/rsg20/6b/4a/j/t02200165_0800060010156637239.jpg?caw=800)
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そういえばもう一つ楽しんだことは、仕事の後、melissaチームのリクエストで日本レストランに出かけて、鉄板焼きをいただいたこと。
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いつものごとく、エドュアルド&ジュニアのふたりは前菜として納豆をオーダー、エドュアルドに関してはブラジル人にしては味覚が麻痺しているかのごとく、イカ納豆を普通にネバネバと食している姿は、世界の七代不思議といっても過言ではないほどで、呆れてしまう。
おそらく彼らの前世は侍であったはずだ。
そして、一応ファッション展示会に来ているわけで、melissaが出展している展示会の1日前から開催されていたマジックといわれる巨大展示会に、モノレールに初乗りして参上したが、そこで信じられない悪夢とご対面となった。
初めてでデビュー戦となったこのマジックという展示会は、簡単にレジスター出来ず、取引先とのインボイスやそれに付随する書類が3つ必要で、なおかつパスポートの用な写真付きの証明書が必要とのことで、唖然としてしまう。
わざわざ日本から来て、これまでまったくアメリカのブランドとは付き合いがないわけで、証明するものなど何も持ち合わせていない。
初めて来たわけで、証明する書類がないのは当然だと思うが、主催者はまったく融通が利かず、不愉快のボルテージはうなぎ上り。
それでも、わざわざここまでやって来たわけで、このまま退散するのもしゃくなので、日本人通訳がいる部屋に行って、何とかエントランスバッジを受け取ろうと試みたが、ここから地獄の数十分が待ち受けていようとは、この時はまだ知らなかった。
行列が出来ていてしばらく待たされるが、日本人の通訳の人に何とか入場を許可してもらえる様に事情を説明したが、やはり無理とのこと。
お得意の責任者を呼んでもらい再度しつこく交渉するが、彼女の口から出た言葉に耳を疑った。
ただ入場するバッジを手に入れるだけで200ドルを払えとのことで、目が点になるとはこういうことなんだろうと、ただただこの展示会のシステムに呆れてしまう。
せっかくだから入場して、雰囲気だけでも味わうくらいの気持ちで、オーダーする気などサラサラなく、ましてオーダーする気にさせてくれるブランドがある確率もかなり低いのが目に見えているのに、2万円近くも払ってまで手に入れる入場バッジではないことは明確である。
お得意の嫌みのひと言を残し、この現場を後にしたことは、私の性格をご存知のみなさまなら、今更説明する必要はないはず。
2万円で美味しいものでも食べた方がましだと、ここに来ることは二度とないことを神に誓って断言する。
釈然としない気持ちをお土産に持たされ、これまでのアメリカ嫌いに、ますます火に油を注いだくらい、不愉快にさせられた。
ぐちぐちのついでに、展示会場のひとシーンを忘れもしない記憶をよみがえらせて、ご報告させていただきます。
melissaのブースにやって来た4、5人連れの日本人。
彼らは、ロスの超セレブ御用達のセレクトショップらしいが、当然私はそのことを知らない。
そして、知らないと答えた私のことばに彼らの表情は驚きの様子で、再度本当に知らないのかと聞いて来る無礼な彼らに、自信を持って知らないと答える。
別にセレブが買い物に来ようが、私にとってはどうでも良いことで、くだらないのひとことで、だから何だって言うんだというのが正直な気持ち。
そんなひとのふんどしで相撲をとっているような、そんなことにこだわっているから、いつまでたっても日本のファッション文化は低飛行なままではないのか?
なぜそう感じたかというと、誰ひとりとしてオシャレでないことは明確で、有名であることの前に自分たちの感性を磨けよと、後藤田専用の印籠を手にここまで出かかった『 なめたらいかんぜよ』の言葉を我慢して、営業用?のおそらく引きつった表情で対応。
随分大人になったと自画自賛とともに、やはり粘着質の性分ゆえ、いつか必ずお灸を据えてやろうと考えたことは言うまでもない。
印象のいいことに出逢わないラスベガスから、数日後、生まれて初めてニューヨークに向かいます。
cheers