27日間に渡る南半球と北半球を回る長旅の為、夏服と冬服両方持参でも使用数には限界があり、日本のように生活環境が便利でなく、すぐに洗濯出来ないリオの環境下で汗をかき、1日に2枚のTシャツ使用ではあっという間に予備が底をつく。
暑さの中での仕事は思いのほか体力を消耗しているらしく、夜になると軽いアルコールでもいつの間にか眠ってしまっている。
年明け後2週間休みなしでこの強行軍のため、心身ともにそろそろ休息が必要のようだが、言葉もよくわからない慣れない環境でどこかしかに力が入っていて異国での滞在は緊張感が解けず、疲れ方が半端でない。
それでも週末にブラジル訪問6回目にして、やっと念願のオスカー・ニーマイヤーデザインの宇宙船のようなニテロイ現代美術館を訪れることに成功。

高速船だと12分ほどだが、レンタカーを借りリオからグアナバラ湾を横断する全長14キロメートルのニテロイ橋を渡り、途中数回ブラジル人に道を聞きながら海岸沿いを走ると、海岸にそびえ建つ美術館は想像以上に美しいビーチもあり、館内から見えるパノラマの景色はこれまでの疲れを払拭してくれる。

この真夏に冬ジャケットを着た不思議な出で立ちに行き交うブラジル人も好奇な視線を送って来る。
これまでに日本人がほとんど訪れることがないヨーロッパのイタリア、スペイン、ポルトガル、イギリスのサマーリゾートプレイスを何度か訪れているが、ボサノヴァの帝王セルジオ・メンデスが誕生したここニテロイは歓喜の声をあげたくなるほどトレビアン。
場所が確認出来たので、次回、必ず再度1泊予定で訪れたくなったほどのベストプレイス。
写真でお伝えしたいところですが、デジカメ故障の為、残念ながらノーフォト。
帰り際にココナッツジュースをそのまま生でいただき、乾いたのどを潤す。
売っていた気さくなブラジル人は漢字がプリントされたTシャツを来ていて、言葉は通じないが一緒に携帯電話で写真を撮ってオブリガード。
LUCIDEZのオーナーデザイナー・マルシアがビーチまで徒歩30秒の好立地にある別荘を貸してくれるということで、夏休み中で混雑しているカポ・フリオに再度車を走らせます。
前回と同じ様に高速を走りますが、とにかく高速道路を人が横切り、端っこを逆走して来る車もありと、全てが驚きに絶えず、ブラジルという異国に居ることをこれでもかというくらい堪能?させてくれる。
エアコンを全開にしても陽射しは強烈で気温39度と、何もかもが未知との遭遇で感動と困惑が交差する。
途中迷子になりながらもどうにかたどり着き、ひとで溢れる渋滞の海岸沿いの光景を眺めながら、ブラジルの夏に記憶のシャッターを連写する。
前回見事なまでの6ボトムズを拝ませてもらったが、今回はあえて選ぶ必要はなし、どちらに視線を送っても選り取りみどりで老若女女どちらさまもTバックビキニ姿で、解放的なラテンのムードに酔いしれる。
異国でのハードな仕事だからこそ、ご褒美として日本人では珍しい誰でもが体験出来ない貴重な異国での体験を独り占めして堪能出来て、改めておかれている環境に感謝の念にやまない。
話せばひとは羨ましがるが、当然ツアーでもなくバックパッカーでもなく、すべてにこだわりがあるからこそ体験出来る異国での数々。
ファッションだけに限らず、人と違うことにこだわり、継続することの大変さは元来のナルシスト性分がゆえ、受け入れられるのかもしれない。
片道2時間、途中ニテロイに寄り道した為にすでに夕方5時。
贅沢な至福の時間はあっという間に過ぎて行く。
Obrigado