今回の長かった旅も残すところ1日となり、知り合いもいない寂しい晩ご飯をホテルのレストランで頂く。
生ビールを頼み、夕暮れの明るさの残るテラス席は、ひとり哀愁にひたり、旅人を演じるには抜群のロケーション。
そのムードを邪魔しに来たかのように、ミツバチがビールの泡の中に不時着して、一瞬で溺死?
可哀想だが、仕方ない。
ウエイターにビールの交換を頼み、仕切り直しで、チェックインしてからずっと無声状態で、食事も無声で進むが、わびしさと隣り合わせなのはいつものこと。
バルセロナと違い、ひんやりとしたフランクフルトの空気が心地いい。
1度も日本食を口にしなかった今回の1ヶ月の旅で見事に新記録?を樹立したが、そろそろホームシックではなく、これはおそらくフードシック症候群の初期症状であろう。
厳しい出来事も有りはしたが、それ以上に改めて異国の人との出会いに感動して、そして感性に刺激をもらい、新たな1ページが自分の想い出にしっかりと刻まれたはずである。
島国日本にいると、どうしても偏りがちな変化に乏しい環境で、いつも刺激を求めて、海外に出かけるが、
今回は更に特別な気持ちにさせてくれた。
世界は広く、自分ひとりの存在なんていかに小さいか、そしてその国、その町でひとそれぞれの生活、人生が存在する。
決してお金では買えない表情豊かで陽気な海外の人たちの心に、いつも驚かされる。
また、再会出来るひと、おそらく二度と会うことがないひと、言葉は通じなくてもきっと心で話せたブラジルの色んな町で出逢った多くのひとたち。
サンパウロ滞在中にたまたま通りかかったストリートで大勢がバースデーパーティで盛り上がっていて、その輪の中に入れてくれてビールとバーベキューを見ず知らずの自分にごちそうしてくれたチリのひとたち。
故障したMac Bookの修理を、無理を承知で探してくてたホテル皆さん。
ホテルの予約変更がポルトガル語が話せずうまく行かず、ヘルプを快く受け入れて電話してくれた展示会場の初対面のブラジル人。
小さなありがとうは、数えくれないくらいありますが、特にお世話になった人たちに、スペシャル サンクス。
翌朝は疲れからか10時過ぎに目覚め、お陰で朝食を食べ損ね、最後の荷物詰めをして、チェックアウト。
20時45分発のANA成田行き210便に搭乗するまで、まだ8時間以上もある。
すぐにでも空港に行って、このまま成田行きに搭乗するのが理想では有るが、最後の辛抱の8時間をホテルのトップフロアの屋内プールで離発着する飛行機を遠くに見ながら、お得意の黄昏れる時間。
夕方6時、ホテルのシャトルバスで10分ほどで空港到着。
搭乗券をもらい、ラウンジで時間をつぶし、やっと成田行きへ搭乗です。
アップグレードしてもらったビジネスクラスで待ってましたとばかり、和食を頼んで舌鼓。
シャンパンとワインで気分よく、ラストフライト。
目が覚めれば、久しぶりの日本。
cheers.