ブラジル南部サンタ・カタリーナ州の州都フロリアノポリスは、南米大陸とサンタ・カタリーナ島が跨がる
とても美しい島で、これまでに出逢ったブラジル人から、ブラジルの中でも美人発祥の地と聞かされていたこともあり、以前から機会があれば一度は訪れてみたいと願っていた。
今回、ポルト・レグレからサンパウロに戻る途中、1日だけ寄り道して、サンタ・カタリーナ島の土を踏む初上陸に成功。
レンタカーを借りて、空港から40分ほどでコンセイソン湖を左手に、右手に美しいビーチが広がっているが、オフシーズンとあり、人もまばらで、気温も低めと残念ながら泳げる環境ではない。
ジョアキーナ海岸は、有数のサーフィンメッカで、1月にはプロサーファーたちがここに集い、大会が開催されるほど有名なビーチ。
シーフロントビューの部屋を予約したが、オフシーズンとあり、わずかな宿泊者も本館滞在者ばかりで他の宿泊者は誰もいない真っ暗な館は、電気がつかなければ、まるで肝試し大会でも開かれそうなくらい背中がぞくぞく。
チェックイン後、ビーチまで散歩に出かけるが、サーファー以外目に入る光景は、波の高い荒れた海。
ぼんやり地平線に目をやり、これまでのブラジル滞在で蓄積された疲労を癒しに、何もせず、ただただぼんやりと時の流れに身をまかせて、お得意の息抜き。
とは言っても、そうのんびりしているわけには行かず、新たに見つけた展示会に行くため、実はこれからの旅のスケジュールを変更するため、ホテルのフロントのパソコンで海外サイトとの長時間の格闘が始まる。
まずは、翌日、予約していたサンパウロ行きの22時のフライトから、早朝7時40分に変更を試みるが、なかなかうまく進行しない。
それでも2時間後、画面上変更可能となりクレジットカード記載が終了して、最後のOKをクリックしようとしたその瞬間、画面が真っ暗になり、アクセスがストップ。
理由はフロントのチリ人のサーファーのお兄ちゃんが、ケーブルのコンセントを抜いてしまう、信じられない悪夢が舞いおこる。
悪気はないのは分かるが、いったいどうしてくれるんだといいたいくらい、この現状にこころはパニック。
すべてのカード情報を記入し、パスワードまで残ったままでの状態で終了したわけで、もしかすると支払いは完了しているかもしれないが、フライト変更は未完了。
なんでこうなるのと、謝るお兄ちゃんに煮えくり返りそうなくらい苛立つ内心とは裏腹に、やむを得ないアクシデントと気を取り直すが、進行しない状況に涙が出そうなくらい情けなさが襲ってくる。
部屋で寝ていたクリスくんにSOSの電話をして、後の交渉を任せるが、それでも軽く1時間は経ってしまう。
更にサンパウロから、リオ経由、リスボン経由してバルセロナまでのフライトも1日早める変更を東京のANAに電話して行うが、どのフライトも満席との返答で、どうにも希望通りに進行しない現状に苛立ちは、ピーク時の2倍ほど。
無理な要求にANAのお姉さま、上司に確認してみますとつれない返答の繰り返しで、ほぼ、諦めた頃、サンパウロからの直行でリスボン経由でバルセロナに向かうフライトはすべて満席で不可能だったが、最初の予約と同じ、リオ経由だと予約可能とのことで、少し運が向いてきた。
後は、サンパウロのホテル予約変更とバルセロナのホテル予約変更で完了と行きたいが、かれこれスタートしてから7時間も経ち、ただいまの時間、日付が変わり、午前2時。
翌朝ではなく、すでに3時間後には起きて、空港に向かわないと行けないが、無理をして訪れたここフロリアノポリスに良い思い作りとは行かず、苦渋ばかりのミルキーなカフェラテ好みの私にはまるで苦めのコーヒー味?
歓迎されないまま、お別れしなければならず、次回までブラジル美人さんに出逢えるはずの楽しみの思い出作りはお預け。
息抜きのはずが、まさに疲れの増長のみで、人生うまく行きません。
これも個人海外旅行の宿命というか、仕事だから可能な限りベストを目指し、無理することが多い結果。
眠った気がしないまま5時に起床して、6時に車でホテルを後にするが、夜が明けていない暗闇を標識を確認しながら、慎重に空港を目指すが、最後の左折を行き過ぎ、橋を渡った道は、ポルト・レグレへ永遠と続く高速道路。
万事休す、これまでかと思ったその時、トンネル手前で右折可能の標識が現れ、一般道路に進行出来て、再度、空港を目指すが、フライトまで残り時間40分のドキドキと、自分でもあきれるくらいナルシストの本領発揮でどこまでも神経をすり減らす結果におつきあい。
25分前、空港到着、クリスくんはレンタカーを返しに、おいらは荷物を抱え、チェックインカウンターに息を切らせ、搭乗手続きに向かい、ドメスティツクフライトで英語がほとんど話せないエアラインスタッフと身振り、手振りでフィライト変更した内容を伝え、祈るような気持ちで搭乗可能になることを待つ。
10分後、対応した彼はおそらく心配で半べそ状態の顔をしていたはずの私にビッグスマイルでシートナンバーが印字された搭乗券を渡してくれる。
車の返却も問題なくうまくいったらしく、お互いの役目を完了させ、タッグチームの良さを喜び合う、単細胞なふたりでした。
機内では、疲れきって1時間半ほどのフライト中、少しでも体力温存に努めて、サンパウロで開催される10時からの2つの展示会場へ、これから向かうのでありました。
色んな国に行けて良いねとひとは羨ましがるが、書かなければ誰も知らない旅のお供として数多くおこるアクシデントの苦労に少しは同情を頂きたいものです。
cheers