カラフルだった1月の顔からすっかり様変わりしたエントランスの巨大オブジェは、ここ数年、世界的に大人気のイラクバグダット生まれで現在ロンドンを拠点として活躍する建築デザイナーZaha Hadid/ザハ・ハディッドのデザインシューズ。

『melissa』
melissaの数知れず世界的な有名デザイナーとのコラボレーションが実現していく中、彼女の建築デザインのパイプのようなゆるやかな曲線を描く美しさが見事なまでに左右非対称なシューズデザインとなり、非現実的なデザインがこれほどまでに個性を引き出し、実際に履けるシューズとして可能となったことは、驚きのひとことである。
melissaと同じ1979年に活動を始めた彼女は、約十年間、現代建築における脱構築主義の旗手として、実際の建築家というよりは、イメージ重視の過激なコンセプトのドローイングを重要視した。
そのため、これまでにない過激なデザインにより、実現した建築物はほとんどなかったといわれている。
そんな彼女が1990年以降、少しづつ注目を浴びるようになり、ロンドンのミレニアム・ドームのマインド・ゾーンを皮切りに、1998年のアメリカはオハイオ州、シンシナティのローゼンダ現代美術センター、2002年のオーストリア・インスブルックのスキージャンプ台、2005年ドイツ・ヴォルフスブルグ/ファエノ科学センター、2006年スコットランド・カークカルディのビクトリアホスピタルなど、数知れず。
これまでに大英帝国勲章や2004年には女性として初めてブリッカー賞を受賞。
ますます、これからの活躍が期待されている彼女とのコラボレーションは、melissaにとって呼び水となるはず。
靴底は信じられないくらい細く、果たして欧米人に比べてワイズの広い日本人に履きこなせるか?
展示会場のバルセロナで試し履きした欧米人何名かは、履き心地に問題ないとのことで、ひと安心。
人気が高まるmelissaの贅沢な戦略に我ながら脱帽です。
Obrigado!