Lost Luggage | Ready Steady Go!

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Season Concept
   ~ London Eye ~

飛行機に搭乗して預けた手荷物が目的地に着かない、いわゆるロストラゲージが世界中で何と毎年20万件も発生しているそうです。

長いフライトの後、預けた手荷物がどれくらいで出てくるかは、旅行が多い私にとってはかなり重要なウエイトをしめていて疲れ方とその後の時間の有効さに大きく差がでます。

過去にロストラゲージになり、紛失係に行き、ラゲージの特徴と色を伝え、仕方なく渋々予約していたホテルで荷物が届くのを待った経験も何度かあります。

忘れもしないロンドンからイタリー/ミラノ経由でフィレンチェ行きのフライト時の悪夢を記憶を手繰り寄せてお伝えしましょう。

でも、もしかすると過去にすでにご報告済みかも知れません。

夏の熱いある日、フィレンチェで行われる展示会に行く為、ロンドン発12:15分を予約していたのですが、出発が2時間遅れとなり14時15分に離陸。

2時間後の16時、ミラノは時差の為17時到着ですが、ミラノからフィレンチェ行きは当然、出発してしまって、アリタリアカウンターに行くとミラノ中央駅から列車でボーロー二ャに行き、そこから
フィレッンチェの電車に乗り換えて行く方法があるとの耳を疑う説明をして来るイタリアおばさん。

御存知の方もいると思いますが、空港からミラノ中央駅までバスで1時間かかるのです。

どんなにアクセス良くバスに乗ったとしても19時から20時になるでしょう。

ミラノからボロー二ャまで2時間40分と言う事は22時過ぎに到着予定。

フィレンチェ行きに乗り換えてだけど、そんなに上手くいく訳は無く、確実に電車はあるのかと質問すると駅に行って確認して下さい。とまるっきし延びたパスタ麺のようにふにゃふにゃと責任感の欠落した無責任な返答が返って来る。

私も含めてほとんどイギリス人の15人ほどが、カウンター前で押し問答の繰り返し。

その後、無線で確認していたアリタリア航空の係員が突然、ピサの斜塔で有名なピサ行きのフライトに
搭乗が可能だから、急げと搭乗券を配りはじめる。

搭乗ゲートは、運良く遥か彼方の徒歩15分くらいも離れているが、とにかく急ぐしかない。

必死でたどり着いたゲートから息を切らして、シートに座りシートベルトを締めたと確認したと同時に
飛行機は離陸。

それでも、今日中にボーロー二ャに行けそうだと思うと少しは安心出来て、1時間ほどでピサに到着。

まだまだ、先は長く、当然、急な行き先決定で預けていた手荷物がこの飛行機に積まれたかは不明。

同じ運命のイギリス人たちとだんだんと人が少なくなって行くターンテーブルを見つめて、全く荷物がなくなりターンテーブルが空しく止まった時、やっぱり我々の手荷物はお利口にもミラノに御留守番です。

とりあえず、申告係のカウンターに行かなくてはなりませんが、ここでもさすがここはイタリア。

予定通りというか進まない手続きにイライラ。

さらにイタリー語で説明は当然、私には出来ません。

ここで運良くイギリスのシューズブランドSWEARのボス/ JOSEも運命共同体だったらしく申告手続を手伝ってくれて何とか終了。

いつと届くかは約束出来ないが、フィレンチェのホテルに届けてくれるそうです。

着替えがないのでそれは必要最低領収書を持っていけば、アリタリアが支払ってくれるらしいけれど、
面倒だし信用出来ません。

JOSEが冗談でプラダの下着でも支払ってくれるか辛かっているが、答えは当然ノー。

まだ、熱さが残っている夕方、ピサからは以前電車でフィレンチェまで何度か行った事があり、更に
展示会に行くバイヤーにはフリーチェケットがもらえるのでカウンターを捜し、見つけるが人がいない。

となりの人間にここのスタッフはいないのかと質問するがもう帰ったと冗談とも本気とも取れに返答。

SWEARのJOSEがタクシーで行くから相乗りしていいけど、他にもスタッフを3人連れていて5人乗りのタクシーはなく、残念ながらひとり取り残されてしまいました。

途方にくれている後藤田に女神が現れ、良く分からないイタリー語だけど、フィレンチェ行きのバスが
待っているから急ぎなさいとの言葉にダッシュでバス乗り場に行き、何とかセーフ。

たったイギリスからイタリーまでのヨーロッパ間のショートフライトにもかかわらず、ロンドンのフラットを出てからすでに10時間を過ぎて12時間かけてやっと予約していたフィレンチェのホテルにチェックイン。

夏だったから、日も長くまだ気分的には助かりましたが、3泊の予定の着替えや身の回りの物は無く、
最低限の下着と日用品を買い、早くミラノで止まってしまっている手荷物が届く事を祈りながら最初の夜は過ぎて行きました。

翌朝、展示会場に行き、夜ホテルに戻り、荷物が届いていないか確認するがフロントのマダムのノー
の返答に余計に疲れが襲って来たものでした。

これを3日繰り替えし、どこでどうなっていたかは知りませんが、最終日の朝、チェックアウト時にマダムが私のグリーンのラゲージが届いている事を知らせてくれました。

最後には無事届いたけれど、一回も開けないままロンドンにトンボ帰りです。

手荷物紛失の原因として乗客の増加、空港の混雑、航空会社間の取次ぎの不備、テロ後の検査が厳重になり時間がかかるなどですが、今後は問題解決の為に従来のバーコード式チェックインシステムに代わって小型の電子チップ付きタグが今後検討されるということです。

これも旅の思い出?というには笑うに笑えない海外の旅には付き物のアクシデントストーリーでございました。

長々とおつき合いして頂き、最後まで読んでいただいた方には感謝の気持ちでお別れです。

咲き始めた桜で良い週末をお過ごし下さい。