鎌倉殿の13人:執権・北条時政 前編

 

 嵐吹き荒れる鎌倉で、梶原・比企の両氏を滅ぼした時政は執権として権を振るい始める。鎌倉のダースベイダーと、義時との対決がいま始まろうとしていた。

 

■第ニ部(第二十五~四十八回)) ※7~12月ごろ
 第ニ部では、鎌倉殿(頼朝)の亡き後、主人公の義時が武都鎌倉における有力御家人間の相克を制し、覇権を握るまでを描く。

 

 第三章 執権・北条時政 前編(第三十三~三十六回) ※9月ごろ

  比企一族を滅ぼした北条時政は、尼御台(政子)を前面に出し、頼家の弟・千幡(実朝)を新たな鎌倉殿に押し戴くと、執権と称して権を振るい始めるのだった。

 

  第三十三回 新たな鎌倉殿

   建仁三年(1203)九月、病床で比企一族の滅亡を知った頼家は激怒して、和田義盛、仁田忠常らに時政誅殺を命じる。時政は尼御台と語らって、頼家が薨去したと奏上する。

   千幡が征夷大将軍に補任され、名を実朝に改めると、尼御台は頼家を出家させた。


  第三十四回 三日平氏の乱

   継母・牧の方の言動に不安を覚えた尼御台は実朝を自邸に迎える。一方時政は大江広元と相談して、頼家を伊豆修禅寺に幽閉する。

   元久元年(1204)四月、伊賀・伊勢の両国で反乱を起こした平家の残党を時政と牧の方の娘婿・平賀朝雅が鎮圧したとの知らせが鎌倉に届いた。

 

  第三十五回 若き御台

   同年七月十八日、伊豆に幽閉されていた頼家が殺された。

   同年九月十五日、北条義時邸を訪れた実朝は月蝕のため、一泊し、おのれの運命について深く考えるのだった。翌十月、実朝は坊門信清の娘を娶ることになり、北条政範や、畠山重保らを迎えに上洛させる。

 

  第三十六回 黒雲

   翌十一月五日、滞京中の政範が病死した。そんなとき、悲しみに暮れる牧の方の娘婿・平賀朝雅と畠山重保が京・六角東洞院の朝雅邱で酒宴中に激しい口論に及んだとの噂が聞こえてくる。

   明けて元久二年(1205)元旦、北条時政が祝膳や、馬と剣などを鎌倉殿(実朝)に献上した。剣は小山朝政、弓矢は三浦義村、行縢と沓は足立遠元が献上役を務めた。

 

 

 【配役】

  〇北条家の人々  主人公・義時との関係
   北条義時(43):小栗旬さん (本人)
   北条泰時(23):●  嫡男
   北条時房(31):●  実弟

 

   北条時政(68):坂東彌十郎さん  実父
   牧の方(-):宮沢りえさん  継母
   北条政範(-):● ※享年16(1204年)  異母弟
   平賀朝雅(-):●  義弟

 

  ○鎌倉殿とその家族
   北条政子(49):小池栄子さん  実姉
   源頼家(-):金子大地さん ※享年23(1204年)  甥
   源実朝(14):●  甥
   公暁(6):●  姪孫

 

  〇三浦党の人々

   三浦義村(-):山本耕史さん
   三浦泰村(-):●

   三浦胤義(-):●

   和田義盛(59):横田栄司さん

   和田常盛(34):●

   朝比奈義秀(30):●

   和田胤長(23):●

 

  〇御家人たち

   畠山重忠(40):中川大志さん

   畠山重保(-):●
   足立遠元(-):●
   八田知家(-):●
   安達景盛(-):●
   仁田忠常(-):高岸宏行(ティモンディ)さん ※享年37(1203年)

   小山朝政(-):●

   宇都宮頼綱(34):●


  〇幕府の文官たち
   大江広元(58):栗原英雄さん
   中原親能(63):●
   三善康信(66):小林隆さん
 

  ○京都の人びと
   後鳥羽上皇(26);●
   土御門天皇(11):●
   慈円(51):●
 

   藤原秀康(-):●
   後藤基清(-):●
   山田重忠(-):●

  ※()内は時政追放(元久二年)時の年齢
  ※●印はキャスト未定

 

 続々と追加キャストが公表されているようなので、ここでいったん序盤のキャストを整理しておきたい。

 武士の世を創ったゴッドマザーともいうべき比企尼がドラマに描かれるのは、初めてではないだろうか、演じるのは草笛光子さんだ。1979大河の『草燃える』では、丹後局を演じた。大河の出演回数は十指に余るというから、比企尼にはまことにふさわしい女優といえるのではあるまいか。比企尼の草笛さんを見るだけでもチャンネルをまわす価値はある。

 

 比企尼にも増して楽しみなのが上総介広常の佐藤浩市さんだ。上総介もまた、比企尼とならぶ大立者でありながら、これまでスポットが当たることはあまりなかった。頼朝との最初の駆け引きは実に演劇的で、序盤における最大の山場となるだろう。

 草笛さんがかつて演じた丹後局役は鈴木京香さん。西田敏行さん演じる後白河法皇とのあいだで、どんな大人の会話が交わされるのだろうか。

 

 新垣結衣さんの八重もドラマに描かれるのは珍しい。頼朝とのあいだに子をなしながら、不幸の淵に身を沈める悲劇のヒロインだが、現代の作品で顧みられることは少ない、政子(演・小池栄子さん)の嫉妬を誘い、時政(演・坂東彌十郎さん)をも巻き込む大騒動を引き起こした亀の前(演・江口のりこさん)と比べても影が薄い。大河初出演の新垣八重姫は、新しい悲劇のヒロイン像を生み出せるだろうか。

 

 義経物のキーマンといえば、奥州平泉の王者・藤原秀衡だ。演じるは田中泯さん。今作の主人公は義経(演・菅田将暉さん)ではないが、二人の絆がどう描かれるのかも見どころの一つになるだろう。

 レアキャラといえば、佐藤B作さんの三浦義澄もそうだろう。大介義明の跡を襲い、鎌倉バトルロイヤルのキャスティングボートを握る三浦党を束ね、次世代のリーダーとなる義村(演・山本耕史さん)や和田義盛(演・横田栄司さん)を育てる。

 

 

 【序盤の配役】

  〇頼朝・政子夫妻と北条家の人々  主人公・義時との関係
   源頼朝(34):大泉洋さん  義兄
   北条政子(24):小池栄子さん  実姉
   北条義時(18):小栗旬さん (本人)

   北条時政(43):坂東彌十郎さん  実父
   牧の方(-):宮沢りえさん  義母
   北条宗時(-):六代目片岡愛之助  実兄
   阿波局(-):宮澤エマさん  実姉
   阿野全成(28):新納慎也さん  義兄
   牧宗親(-):山崎一さん

  〇頼朝の血縁者たち
   源範頼(-):迫田孝也さん
   源義経(22):菅田将暉さん
   源行家(-):杉本哲太さん0

   木曽義仲(27):青木崇高さん
   巴御前(-):秋元才加さん
   木曽義高(8):市川染五郎さん
   武田信義(53):八嶋智人さん

  〇頼朝の支援者たち
   比企尼(-):草笛光子さん
   比企能員(-):佐藤二朗さん
   能員の妻・道(-):堀内敬子さん
   安達盛長(46):野添義弘さん
   河越重頼(-):●
   伊東祐清(-):竹財輝之助さん

   三善康信(41):小林隆さん

  〇三浦党の人びと
   三浦義明(89):●
   三浦義澄(54):佐藤B作さん
   三浦義村(-):山本耕史さん
   和田義盛(34):横田栄司さん

  〇御家人たち
   梶原景時(-):二代目中村獅童さん
   畠山重忠(17):中川大志さん
   土肥実平(-):阿南健治さん
   中原光家(-);●
   千葉常胤(63):岡本信人さん
   上総広常(-);佐藤浩市さん
   足立遠元(-):●
   八田知家(-):●
   江戸重長(-):●
   工藤祐経(-):坪倉由幸さん(我が家)

  〇平家方の人びと
   平清盛(63):松平健さん
   平時子(55):●
   平頼盛(48):●
   平維盛(22):●
   平宗盛(34):小泉孝太郎さん
   平知盛(29):●
   平重衡(24):●

   伊東祐親(-):辻萬長さん
   大庭景親(-):國村隼さん
   山木兼隆(-):●
   祐親の家来・善児(-):梶原善さん
   山内首藤経俊(44):山口馬木也さん

  ○その他の人びと
   後白河法皇(54);西田敏行さん

   丹後局(-):鈴木京香さん
   以仁王(30);●
   源頼政(77);●

   平知康(-):矢柴俊博さん
   八重(-):新垣結衣さん
   文覚(42):市川猿之助さん
   亀前(-):江口のりこさん  ※頼朝の愛妾

  ※()内は頼朝挙兵(治承四年)時の年齢
  ※●印はキャスト未定

 いま毎朝、チャンネル銀河で1998大河『徳川慶喜』をやっている。

 慶喜といえば、故司馬遼太郎さんの『最後の将軍』の印象が強く、実際それが原作なのだが、渋沢栄一の『徳川慶喜公伝』が基礎資料として、これを大いに補っていたようだ。

 青天ではいよいよパリ万博が迫っている。徳川昭武に随行し、近代に触れて、パラダイムシフトを体感した栄一は大きく成長を遂げ、維新後の跳躍の原動力とする。

 

 そんなわけで、青天の登場人物がどのように描かれていたのか気になって、『徳川慶喜』の再放送を懐かしく見ている。堤真一さんが演じた、慶喜の側近・平岡円四郎はかつての人気グループずうとるびのリーダーだった新井康弘さんが演じている。いなせな江戸っ子・堤円四郎とはいささか趣が違って、無骨で強面の円四郎になっている。

 主役の慶喜はいうまでもなく本木雅弘さん。その父・水戸烈公(斉昭)は東映の大スター・故菅原文太さん。慶喜・烈公父子と激しいバトルを繰り広げる井伊掃部頭(直弼)を演じるのは時代劇スターの杉良太郎さんだ。

 

 狂言回しの役どころは、新門辰五郎とその女房・れん。演じるのは堺正章さんと、大女優・故大原麗子さん。大原さんは語りも務めている。大原麗子を見られるなんざ、昭和生まれの特権ってもんだ。平成生まれにも気前よく御裾分けだ。辰五郎とれんの娘で、慶喜の側室となる、ちゃきちゃきのお芳を演じる清水美沙さんが初々しく、楽しい。

 残念ながら、渋沢栄一や、ディーン・フジオカさんで話題の五代友厚は出てこないらしい。