いきなりいいムードをぶち壊しにするような、
クイズの出題。
でも、
俺と翔ちゃんを結びつけてくれたものであり、
そして、
「クイズ界の帝王」櫻井翔さんからの出題。
受けて立たないわけがない。
えっと。
「第一問は、ICT。
第二問は Lだから。」
…。
気がついた俺が真っ赤になる。
「…あいしてる…。」
ICT Lで、そのまま読むと「あいしてる」になる。
「ははは。
そういうこと。」
翔ちゃんが高らかに笑う。
くぅぅぅ。
そんなら、俺も。
負けず嫌いに火がつく。
「じゃ、翔ちゃん。
これはなんだ。」
そこにあった紙ナプキンに、
黒電話みたいな昔ながらの電話を、
腕を組んで頷くようにしながら、
見つめている男の人。
うん。
我ながら、
上手くかけたんじゃないか?
翔ちゃんも、ずっと腕を組んでいたが、
「なーんだ。わかったぞ。」
しばらく置いてから、
俺の頭を撫でる。
「これは、電話を見ている人。
それも頷きながら見てるんだな?
英語で言えば I see TEL.
ほんとだったら、watchとか、gaiseだけどな。
seeをつかいたかったから、
了解という感じで頷かせたんだな。」
「すごーい。さっすが、翔ちゃん。」
ぱちぱちぱちと拍手をすると、
翔ちゃんが耳元で囁く。
「うん。
I see TEL. 愛してる。
俺もだよ。雅紀。
だけどな。」
ぎゅうっ。
翔さんが俺の耳をひっぱる。
「問題出題としては、
まだまだだ。
ただの駄洒落じゃ、洗練されてない。」
ひぇぇ。
俺にしては頑張って考えたのに。
「これから特訓な。」
ちゅ。
耳元でくちゅりと甘噛みされて。
俺はまた真っ赤になった。
⭐︎つづく⭐︎