うーん。
今話すべきかどうかは迷ってたんだけどな。
まだ、
雅紀とも結論には至ってない。
でも。
大野さんにはちゃんと話しておきたいな。
雅紀の顔も見ると、
雅紀はその黒目がちの瞳を真っ直ぐに俺を見つめてる。
うん。話そう。
心を落ち着けて話し始める。
「あのさ。
まだ、
雅紀とも考え中で、
みんなとも相談したいんだけどさ。
考えていること言っていい?」
「うん。どーぞー。」
大野さんはまるで今日の夕ご飯のメニューを聞くかのような気軽さでにこにこ笑ってる。
やっぱり、でっかいな。
この人は。
俺たちのリーダーだ。
「あのね。
俺たちは、ちゃんとパートナーシップ制度で籍も入れて、
母子手帳も取っている。
レアケースではあるけれど、
行政の方には制度として認めてもらってる。」
雅紀が、
おずおずと口を開く。
「でもね。
結婚してるってことや
一緒に暮らしてるってことは、
みんな知らないでしょ?
それで、
子どももできたなんて言ったら、
きっとみんなびっくりすると思うんだ。」
うーん。
大野さんが顎に手を当てて考え込む。
そうだよな。
別に隠すことでもないんだ。
愛する人と結婚して、
子どもが産まれる。
通常であればめでたいことなんだ。
「ちょうど、俺たち智くんのおかげで、
活動休止じゃん。
だから、個人のスケジュールだけ調整できれば、
雅紀の産休は取得可能なのよ。
雅紀には悪いけど、
正月の件がいい先例になってる。
『相葉雅紀が体調を崩して長期療養に入った。
持っているレギュラーは、各回助っ人として嵐のメンバーやその他のジャニーズ事務所のメンバーで持ち回りで行います。』ってね。
当然、俺は出来るだけ雅紀の分も頑張るつもりだし、
できない分は、
あとはニノや、松潤にもお願いすることになっちゃうけど。
雅紀の体が落ち着いて復帰できるまでは、
俺と雅紀が結婚していて、
雅紀が出産していることを伏せて
どうにかできると思う。」
「みんなに迷惑かけちゃうよね。
でも、
それでどうにかなるなら、
それがいいのかなぁ。」
雅紀が下を向くから、
大野さんが声をかける。
「でも、いいの?それで?
ずっと隠しておくってできないよ?」
優しい目で俺たちを見た。
⭐︎つづく⭐︎