また来る。」
部室に大野さんと二宮さんを置いて、
さっさと翔ちゃんは俺の肩を抱いて、
部室を去ろうとする。
「じゃ。」
まだ大野さんの隣に、
二宮さんが寄り添うように座って
手を振る。
「うん。連絡させて。
そろそろセレクションと、
オーディションがある。」
翔ちゃんがよくわからない話をしながら、
手をあげると、
「わかった。
じゃあな。」
二宮さんもそれに応えて、
翔ちゃんは、俺を連れて部室を出ていく。
「翔ちゃん。なぁに?
今の話?」
訳がわからず、
翔ちゃんに聞くと、
「ん?
その話はあとにしよ?
俺はさ。
お前と二人っきりになりたくて、
もう限界。
おんなじ大学に通えるなんて夢のようじゃん。
俺にお祝いさせて?」
翔ちゃんがにっこりと笑うと、
俺の肩を抱きながら、
大学のキャンバスを出ていった。
⭐︎つづく⭐︎