コロナ禍で新規の道の駅巡りが中断していますので、過去の旅で出会った美しい日本の風景を日本列島の北端から順番に紹介しています。
今回ご紹介するのは日本最大の民間総合農場である
小岩井農場 です。
“小岩井農場” は盛岡市の北西約12km、岩手山の南側山麓に位置します。
日本の民間農場として最大規模のその面積は “約3000ha” あります。
山手線の内側の面積が63平方キロメートル、つまり6300haですから、その約半分の広さです。
そのうち、観光エリアとして開放されているのは40haを有する “まきば園” です。
広い駐車場に車を停め、ここで入場券を買って園内に入ります。
ゲートを入るとまず広大な芝生広場があり、それを囲むように施設があります。
この正面に聳える頂上を雲で隠した山が日本百名山の一つ、標高2038mの “岩手山” です。
かつてこの地は火山灰地特有の強い酸性の土壌であり、水はけが悪く強い西風の影響もあって、木がほとんど生えない不毛の荒野でした。
1888年(明治21年)にこの地を訪れた明治政府の鉄道庁長官 “井上勝” は、この荒れ果てた土地に大農場を拓くという夢を描きました。
そして1891年(明治24年)三菱社社長 “岩崎彌之助” 日本鉄道会社副社長 “小野義眞” の協力を得て、その3名の頭文字をとった 『小岩井農場』 を創業したのです。
土壌の改良や西風を防ぐ防風林の設置から始めたこの事業は困難を極め、幾度も危機に陥りながら、やがて三菱の三代目 “岩崎久彌(創業者岩崎彌太郎の長男)” の手によって軌道に乗ります。
そして現在、年間70万人の観光客が訪れる観光地へと発展しました。
牧場にお馴染みのこの干し草ロール、子供たちが自由に落書きができるようになっています。
そして大人も子供も楽しめる遊園施設も充実しています。
楽しそうなのがいろいろあります。
私たちが訪れたこの日は、小学生らしい団体がいくつも来ていました。
ちょっと見にくいかと思いますが、先生の号令と共に一斉に駆け出す姿は可愛いものです。
もう少し周辺の写真をご覧頂きましょう。
小岩井農場には明治時代から昭和初期にかけて作られた牧畜関連の建築物が纏めて残っています。
その中の21棟は “国の重要文化財” に指定されています。
でも、観光施設であるまきば園は、比較的新しい建物ばかりのようです。
観光客が普段入れるのはここ “まきば園” だけですが、通常は非公開の牛舎や生産現場を巡るガイドツアーや体験プログラムも別途行っているそうです。
大人も子供も楽しめる場所だと思います。
■最寄りの道の駅
・道の駅雫石あねっこ(車で20分ほど)