本格的な雨が降り出した中、象潟の道の駅を出て
道の駅にしめ に向かいました。
道の駅にしめは同じ国道7号沿いにあり、象潟からは約20km、30分かからず到着しました。
でも雨脚は益々ひどくなり、車から降りても写真すら撮りづらい状況です。
もともとこの道の駅に立ち寄る計画をした理由は、ここからの鳥海山の姿がとっても印象的だったからで、この日のお天気ではそれも見えないので意味がありません。
駐車場に入ったものの、ここはスルーして次の “道の駅うご” に向かうことにしました。
※2010-6-24に来た時の、道の駅にしめからの鳥海山
最初の地図でお分かりのように、ここから目的地に向かうには、国道107号を東へ進み、道の駅東由利の前を通って国道398号経由で向かいます。
ちょうどその、道の駅東由利の前を通り、「ここが道の駅東由利だよ」 と話している時でした。
突然、激しい雨と突風が車の前面と側面に叩きつけました。
前方が良く見えないほどの激しい雨、というのはたまに遭遇しますが、これは突然大波をかぶったような印象で、一瞬なにが起こったか分かりませんでした。
驚いた嫁は、「道の駅に入って停めよう!」 と叫んだのですが、既に入り口は通り過ぎているし、状況がよく把握できないまま、そのまま進んでしまいました。
前方を走っていたはずの2~3台はいつのまにかいなくなり、私が先頭、すぐ後ろに大型トラック、そのあとに何台か続いているようです。
ワイパーを最大で動かしても周囲はおろか、走っている道路自体さえよく見えないのです。
片側1車線の狭い道路で停車するわけにもゆかず、最徐行で進みました。
道路の水嵩も増し、ゆっくり走っているのに大きく水を跳ね上げます。
テレビのニュースなどで見た、道路で水没している車の姿が浮かび、初めて恐怖を感じました。
どの位走ったのかよく覚えていませんが、ようやくパーキングスペースを見つけ避難しました。
そこは道路から少し下がっていて水が溜まっていましたが、更にそれより下に田んぼがあり、ここが水没することはない、と判断したものです。
しばらく雨脚が収まるのを待ち、道の駅うごへ行くのは中止、時間は早いけどまっすぐ横手市内のホテルに向かい、4時前にチェックインしました。
ホテルでテレビを見ていると、横手市内では建物の被害なども出ていました。
その後の報道によると、これは 『ダウンバースト』 という現象だったのだそうです。
これは積乱雲から爆発的に吹き降ろされた気流のことで、それが地面にぶつかり水平方向に噴き出す破壊的な突風のことです。
竜巻の場合は渦巻による漏斗雲が見られ、これは上昇気流ですから同じ積乱雲が発端とはいえ、ダウンバーストとは逆の現象です。
その時のニュース記事を紹介しておきましょう。
『横手市で20日午後3時20分ごろ、強い下降気流「ダウンバースト」が発生した可能性が高いと発表した。風速は約65メートルと推定され、突風の強さを示す「日本版改良藤田スケール」に照らすと、6段階で下から3番目のJEF2に該当する。
気象台によると、横手市周辺で当時、活発な積乱雲が確認された上、被害が面的に広がっていたこと、竜巻を示唆する情報がなかったことからダウンバーストと判断した。
市によると、被害は広範囲に及んでおり、22日午後5時現在のまとめで、屋根が飛ぶなどして住宅17棟、小屋や車庫35棟の計52棟が一部損壊した。倒木や停電も相次いだ。』
私が遭遇したのは正確には 「由利本荘市」 になりますが、横手市とはすぐ隣です。
発生が 「20日午後3時20分」 ですから、まさにその時間です。
もし私が道の駅象潟で2時間もゆっくりしていなかったら、この経験はなかったかもしれません。
逆に、道の駅うごのあとは高速を走る予定でしたから、高速道路上で遭遇していたら事故に繋がったかもしれません。
いずれにせよ無事でしたから良かったのだと思います。
こうして2日目は、当初の計画とはかなり違う形で終了しました。
※2日目に走ったルート(google mapの自動記録)
この日の走行距離:217km