水面での光の屈折が空中写真によるSfMに与える影響 | 山口大学 空中測量(UAV写真測量)研究室の技術ノート

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【このテーマの記事は、学術誌や学会等で発表した内容の紹介です。】

 

久々の更新になってしまいましたが、最近J-STAGEでオンライン公開された論文(JAXAの研究開発員の立場で投稿し、掲載された論文)を紹介します。

 

河道・海岸のUAV写真測量など、陸域と水域が混在した対象領域の空中写真を使ってSfMを行う場合、浅い水底にもタイポイントが生成され、それらを見る視線の水面での屈折によって、推定されるカメラパラメータが悪影響を受ける可能性があります。

 

各写真に十分な割合の陸域があって、陸上のタイポイント数の方が浅水底のそれよりも圧倒的に多い場合には影響は軽微であると考えられますが、そうでなければ、どのような問題が生じ得るのでしょうか。例えば日本に多い裾礁型のサンゴ礁のUAV写真測量に挑戦すれば、規模によっては水ばかり(浅い水底ばかり)が写った写真群が得られますが、それらでSfMはまともにできるのでしょうか。

 

この論文は、水面での光の屈折が空中写真によるSfMに与える影響について、理論的・数値的に考察した論文です。

 

【書誌情報】

神野有生, 水面における光の屈折が空撮画像を用いたSfMに与える影響に関する基礎検討, 写真測量とリモートセンシング, 60 (2), pp.42-52, 2021.