PhotoScanを極める 23. 提案方法のデモ 手順5-12 | 山口大学 空中測量(UAV写真測量)研究室の技術ノート

山口大学 空中測量(UAV写真測量)研究室の技術ノート

UAV写真測量, ドローン測量, フォトグラメトリ, SfMなどと呼ばれる技術の情報を掲載します。
1. 効率化・高精度化に関する研究速報・マニュアル
2. SfM/MVSソフトAgisoft Metashapeの使い方
などなど。

※「ブログトップ」の注意・免責事項からご覧ください。

【このテーマの記事は、UAV写真測量に必要な解析や、そのためのAgisoft PhotoScanの操作について解説しつつ、適切な設定の探し方を提案することを目的とします。注意事項や用語説明もありますので、最初のページから読んでください。教科書的な操作手順表はこちらのページにあります。】

 

**********

この記事を含む「PhotoScanを極める」21 - 23で述べている提案手法は、平行撮影などの弱いカメラの配置あるいはSfMが出来ない撮り方による悪影響を十分検出できないため、現在はおすすめしません。この記事を削除してしまうと「PhotoScanを極める」テーマの全体構成がわかりにくくなるので、残している次第です。

**********

 

本記事は、前々記事で示した提案方法の手順に沿って述べるので、前々記事と対照しながらご覧いただきたい。前々記事で示した手順を再度述べることはしていない。

 

 

<手順5>

今回のデモの条件ではStep 4 - 6をやり直す必要はないので、Step 7としてfだけを考慮した最適化を行った。

 

 

 

<手順6>

今回のデモではこれをしていないので、省略する。

 

<手順7>

今回は手順2で設置・エクスポート・削除しておいた4つの対空標識のマーカーを、「ツール」メニュー → 「インポート」 → 「マーカーのインポート」 によりインポートした。
 


その後、世界座標を入力した。

 

 

 

 

 

 

<手順8, 9, 10>

 

 

はじめに、対空標識1 - 3のマーカーにチェックを入れ、「更新」を押した。

 

 

「チェックポイント」に関する世界座標の推定誤差(「誤差 (m)」)は、0.010149 mだ。今回はこの、X, Y, Z成分を合成した誤差のみを記録した。

 

以下、同様に、対空標識のマーカーのうち1つだけチェックを外した状態で「更新」を押し、「チェックポイント」に関する世界座標の推定誤差を記録した。

 

 

 

 

 

 

<手順11>

 

交差検証(手順8, 9, 10)の結果をExcelで整理すると、次のようになった。

 

 

今回のSfMのRMS誤差(現地測量した座標と推定された座標のユークリッド距離)は、4つの対空標識を用いた交差検証により、0.020 mと評価された。4回の誤差にばらつきがあるので、SfMの精度をより正確に評価するには、もっと多くの手動タイポイントが必要だ。

 

 

<手順12>

最終的なジオリファレンスの更新を、下図のように行った。

 

 


以上で、提案方法の簡単なデモは終わりだ。
このテーマ「PhotoScanを極める」も一応の目的を達したので、ここまで読んで下さった読者に感謝して、ここで締めくくりたい。

読み直して気づいた不備の修正などは、今後も適宜行う予定である。