PhotoScanを極める 8. 説明用画像の紹介 | 山口大学 空中測量(UAV写真測量)研究室の技術ノート

山口大学 空中測量(UAV写真測量)研究室の技術ノート

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2. SfM/MVSソフトAgisoft Metashapeの使い方
などなど。

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【このテーマの記事は、UAV写真測量に必要な解析や、そのためのAgisoft PhotoScanの操作について解説しつつ、適切な設定の探し方を提案することを目的とします。注意事項や用語説明もありますので、最初のページから読んでください。教科書的な操作手順表はこちらのページにあります。】

 

Step 2では、画像の読み込みを行うが、その前に、今回の説明に使う画像を紹介する。

 

今回の説明にサンプルとして使う画像は、実際にUAVで撮影した空中写真ではない。Blenderというソフトで作ったCGの谷状地形を、Blender上のカメラで撮影(レンダリング)したものだ。

 

まず、Blenderでの作業画面と、鳥瞰写真を示す。

 

 

 

この谷のような地形は、UAVによる河道のSfMの研究のために作ったもので、3つの平面から成る。研究では水面を張るが、今回は陸上での例としたいので、水は入れていない。いずれにせよ、色からして全くリアルではないが、実際の河道より、研究に都合よく作られている。

 

まず、座標の目盛り代わりとして、両側の斜面には1 m格子のチェッカーボード状の、谷底の水平面には0.5×0.25 mのレンガ状の、規則的なテクスチャが貼り付けられている。チェッカーボードやレンガ上のいくつかの点には、赤字で座標が示されていて、GCPや検証用地点として用いることができる。同じパターンの繰り返しではマッチングが難しくなるので、各所の差別化のため、各面にボロノイ状のランダムなテクスチャを混ぜ込んでいる。さらに、起伏の要素として、1 m格子で白黒に塗られた立方体をいくつか配置し、その上面(水平面)の中心についても、赤字で座標を示している。さらに、谷底の上空32 mには、3×3=9台のカメラが水平方向に10 m間隔で設置されていて、鉛直下向きを向いている。画素数は4000×3000画素、35 mm判換算焦点距離は24 mmで、中心のずれや歪みなどはない。

 

実際の写真の代わりにCGの写真を使うメリットは、GCPや検証用地点の座標に加え、カメラパラメータ(内部・外部パラメータ)が、すべて誤差なく分かっていることである。PhotoScanによるSfMの結果について、検証用地点の座標だけでなく、カメラパラメータについても、精度を評価することが出来る。現地実験では、カメラの光学中心の正確な位置など、わからない。

 

下に、真ん中のカメラから撮影した画像を例示する。

 


興味を持ってくれた読者のために、9枚のフルサイズの画像とBlenderのプロジェクトをこちらに置いた。

 

以上、寄り道してしまったが、本テーマの記事での説明用に使うサンプル画像を紹介した。