この街から始めよう - sumika Live Tour 2021 花鳥風月 | live , lifework.

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音楽と言葉といきるひと。ライブの「きかくやさん」だったこともあったなあ。

Daily's Lamp】という大きな大きな、アリーナツアーが全公演中止、配信のみになってからの、

少しずつ少しずつ、様子を見ながら、足して足して長期戦になった【花鳥風月】ツアー。



有観客の、さいたまスーパーアリーナ2days、と、そのほかちょっとの、

記憶の記録。


ネタバレしちゃいけないんだった!って思ったりするのも

久しぶりだったよね。







Lamp」で始まった7月のガーデンシアター公演では、ああ【Daily's Lamp】の片鱗が見えるなあと思っていた。

諦めきれなかったこと、やりたかったこと、その悔しさも滲みつつ

ちゃんと次にいくことを選んだツアーなんだなっていうのが端々に感じたこと。1曲目だけじゃなくて散りばめられていた。

ちゃんと届く人がいてほしい、その想いが

この人たちの原動力なんだと強く思った。









Lamp」の最後の1行、

"未来だよ" の響きに、未来にやっと会えたなって気がしたけど

さいたま公演では1曲目が「Jasmine」に変わっていた。

彼ららしい、「MAGIC」や「Familia」のような空気を持ちつつ、わたしの中では旅人のうた。スナフキンみたい。ジャスミンだけど。いい曲。

"この街から始めよう"をいろんな街でやってきたんだな、っていうのも、こころを掴まれたポイント。

いろんな地にいるともだち、元気かなあって。

ツアー中に曲が増えていくこと、曲が移ろっていくこと、

止まっていない証拠なんだよなあと、思えたよ。



続く「祝祭」でギアが上がる。

はたと感じる、コーラス隊、ゲストメンバーの層の厚さ。

5声以上が聴ける、ひとつひとつの音が積み上がって音楽になっている、

いつでも、その重なりに、重きを置いている気がしている。

「雨天決行」からはじまったこのバンドらしく、天気を纏う姿も似合うし

"雨の向こう側 人影が見えるなら"

"君と出会う時だろう"

まで、今日がその時だと全力で伝えてくる気迫があった。



Flower」「ふっかつのじゅもん」はフェスでもよく聞くやつ、アクセル中のアクセル。

「ふっかつのじゅもん」という曲の存在がいろんな景色を見せてくれたところはあるだろうし、

このアリーナに連れてこられた、いや"連れてきてくれた"のはとても感慨深かった。

合いの手たちが身体に染み付いてしまっている。待っていた、その感覚を。



「イコール」では「祝祭」以上にコーラスの豪華さが際立っていた印象。

少し先の「Jamica Dynamite」や、「Summer Vacation」(さいたま2日目は「Traveling」)のオープニングアカペラをやるためには

この人たちの、やや高め寄りの、センスフルでシックな和音が必要だったんだなあという納得。

この「イコール」はね、祈りのうただなと思うんだ。

どちらかというと内に秘めるような、風を纏って、息を吸うような。

横アリにたどり着いたときの景色も忘れないなあと、ふと思い返す曲。

なんだか時間を越えそうな、不思議な曲なんだよなあ。



続く「わすれもの」。

武道館で見た「enn」でもそうだけど、どうしてもおがりんが歌っているのを

息子を見るような、あたたかい見守る空気になる気がしている。

ステージ上も、会場全体も。

歌い始めるときも、歌い終わった後のおがりんの表情もいつも清々しいからなんだと思う。すごく「ちゃんと請け負う」かんじがする。

それにしても、一曲まるまる別の人に歌わせるのは単純にすごいなあと思うよ。

一瞬でも歌の顔を託せるってすごいこと。層の暑さ。



Jamica Dynamite」の各ソロもめちゃくちゃ良くて、Chimeツアーでうっとりした「Strawberry Fields」を思い出した。

やっぱりジャジーな要素はともさん得意。圧倒的に。すき。いつもだ。

Summer Vacation」でもそうなんですよね、巧みさ。

(なのでケンタカタオカが目の前でしゃがんでも一瞬気付かないくらい見ちゃう、反省してます)



2月の配信でもやっていた「溶けた体温、蕩けた魔法」は、絶対大きなところでやりたかったんだろうな、不偏な曲というイメージ。

曲前のMCで、人に怒らなくなったのは、人に期待しなくなったからで、近しい人には、大事な人には、ちゃんと怒れる人でいたい、というような話をしていて

わたしは逆に、怒りたくないのに怒ってしまうのをどうにかしたいんだけどなあと考えながら

この曲と「願い」「本音」の流れで、ケンタカタオカの声の響きが増幅してるなあと思っていた。

奥で鳴ってるような。太さ、というか深さというか、幅。

個人的に「願い」がとてもたまらんかった、、、

「願い」めちゃくちゃすきなんです、1度テレビでめちゃくちゃ不自然な編集になって、この曲の着地点が全然違ったときに怒り狂ったくらいすきです(落ち着け)。

本人たちがちゃんとしたかたちで伝えてくれるから大丈夫。

"あなたが笑っている未来まで 幸せ祈り続ける夢だがすきなんだけど、

曲の中の意味は違っても、未来に対する想いは、やっぱりどの曲からも感じたし

たぶん自分がそう切り取りたいから、よけいに感じるんだと思う。



やっと後半。



AMUSIC】のアルバムの中で12を争うすきな曲、「惰星のマーチ」。

左右に置かれたミラーボールで作られる星空、を弄ぶ色彩。

ちゃんと155秒付近の流れ星(と呼んでいる)で照明があそんだの見逃さなかったから!だいすきだ!

このつかみどころのない、裏の顔が見え隠れする、遊びゴコロのある曲も大事な顔だと思うんだよな。わたしの中では「ペルソナ・プロムナード」とか「ライラ」もここに分類される。「1.2.3..4.5.6」とかも。はっ…"ミラーボールと乱反射"…

ポップネスの中の、ひと匙の毒。だからいいのよ。

Shake&Shake」もつかみどころがないのは同じで、こちらはどちらかというとポップネスに振り切った自由人。言葉遊びの鬼。"超常的縁"ってこういう、ここにいることも含まれるんじゃないかなあ。いい表現だ。

曲に対して裏切らないカラフルでど派手な照明たちはこの日1番。

これが見たくて、少し遠目の席でもうれしかった。

この次の「絶叫セレナーデ」もそう、深く考えずとも身体が覚えてるやつだ。



ギターを一瞬鳴らした時点で察した爆イケ「Late Show」からの「ライラ」はいちばん息してなかったなあ。わたし。

去年リリース直後から「ライラ」は絶対赤照明がいいと思っていて、

配信でも、今回も暗め赤の照明で、ほんとに天才〜〜〜〜〜〜っていうきもちでいっぱい。語彙力が逃げた。

こんなに分厚い音出てるのに、2番、途中までドラム叩いてないんだよ、それが1番驚いた。

この2曲は、最初に書いた「音の重なりを大事にする」とイコールではあるんだけど

どちらかというと圧倒してくるような、全員で倒しにきているような音圧。

激しい、とか、速い、とかじゃなく、11音で衝撃を与えにきていて。

うっかりよろけちゃうかと思った。



いよいよ終盤。「明日晴れるさ」は泣かない時がない。

この曲の冒頭に、どれだけのきもちが掬い上げられてきたか。

4人だけが静かに照らされる演出を見て、

ああこれはもちろんわたしたちにとっても大事な歌であって、でも、

これは確実に、4人のうただよ、って気持ちになったんだよなあ。

最後の虹の風景もうつくしかった。



本編最後の「センス・オブ・ワンダー」。

進研ゼミのイメージが強いので、たいそう大人な自分にちょっとピンときてないな、と思っていたりしたのだけど

""やりたい"の先で"なりたい自分 なれていますか?"

ってめちゃくちゃぶっ刺しにきてるんですよねニッコニコで眩しい

なんて茶化すけど、

この曲のすごいところは、全部言い切ってるところ。こうしよう、ああしよう、やってみよう、の先にあって、

"泣けるような未来へ行く"がこのツアーそのものだと。

最後の曲なのに、ここから始まる感がすごくして、これを着地点にすること、

この人たちはもう決めたんだ、やっぱり頼もしいよ。








アンコールは曲がいろいろ変わってたみたいなので割愛しつつ。


最終日、ツアーファイナルの最後のMCで話してくれたこと。

「次にライブができる、ツアーできる、っていうのは、あなたたちが来てくれたからなんだよ」っていうフロントマンの言葉に

メンバー全員で強くうなづいてくれることがすごくグッときてしまったし、

家、を、住処、に昇華させるのはわたしたちもなんだって、思ってもいいのかなって。思いたいなあ。

「「音楽をやろう!」」って照れ隠しのような、でも決意のような一言の後、

締め括りに選ばれた「晩春風花」は、まるで春を待っていた2020年を全部回収するような。

この曲は、会いたいうた、だと。

花びらの舞うステージを見ながら。最後の"ラララ"の大合唱ができたときが、ほんとの完成なんだろうな、

それを待ち望むうただと思った。

待っていてくれる音楽があるっていいな、しあわせだな。




ファイナルが終わって

次、の発表があって、

ほんとうに続くんだなあってうれしい。




忘れたくないことがこんなにあることもうれしい。

思い出したら、また足せばいい。












花びらをぶわあってやってたともさん、かわいかったなあ