障害者の企業就労で、必ず必要なのが「働くモチベーション」になります。
具体的に、お給料の額とかお金の概念がなくても、会社で働くとは・・・
自分の労働対価で正当な報酬をもらうことである。
それゆえ、つらいこと、厳しいこと、たくさんあるけれど、それでもがんばることにより、報酬がもらえまた同時に周囲から感謝もされるものである。
そして、その報酬により自分が好きなものにお金を使うことができる。
つまり、自分の生活がより充実する。
このことが、本人なりに漠然でもよいので、理解をしていないと、なかなか学校の延長で「言われたからやる」「課題だからする」だけだと、企業就労の厳しさに応えることが難しいと思います。
ところで、一番この中で難しいのが、
得た報酬で自分の世界を広げる、好きなことを充実させる、生活のクオリティがあがると実感する・・・
ここが、知的障害者の方はできにくいことかなと思います。
実際、自分の好きなこと、ほしいものが全くない方もいらっしゃいます。
となると。。。何のために働くのか??
お客さんから「ありがとう」と言われたい、周囲から「働いて立派だ」とほめられたい
もちろん、このモチベーションでしっかり働くことができる方もいらっしゃいます。
でも、企業就労をするということは、福祉就労と異なり、最低賃金以上の対価をもらっています。
つまり、労働に対して、対価で評価しているわけで・・・
ならば、その評価を自らで実感し、つかみとり、且つ有効利用ができる、これによりさらに自立度を高めていくものではないかなと思います。
なので、やはり、成人になり働くまでに、本人が「働いたら○○がしたい」と思えるような社会経験を積ませてあげたい。
また、好きなことのヒントを探してあげたい・・・このように思うのですが、ま、実際これは今後どうなるでしょうか??
さて、先日書いた退職支援つづきの
記事で出てくる彼女も、実は「働くモチベーション」が微妙になり今苦しんでいらっしゃいます。
実は、彼女は趣味や好きなこと、余暇ですることが一切ありません。
休みの日は、家事をしているだけ。あとは、テレビをみること以外に何もしていないそうです。
そして、彼女が得ている月収12万弱はすべて両親に渡しており、本人は自分の身の回りの物を買うこともほとんどしません。
洋服も、下手すると70代のお母さんと共通で着ていたりします。
そして、彼女の家は持ち家ですが、彼女の収入だけで暮らしているようです。
この状態が当たり前の彼女は、かろうじてもっていた「働くモチベーション」」は、「家族を支える」だったんですね。
ところが、父親から「早く結婚して家をでろ」と言われ始めて、だんだんと働く意味がわからなくなってきたようです。
ご両親は、彼女が嫁にいけば、嫁ぎ先がなんとか生活を面倒みてくれるだろう。
それなら、今より暮らしがよくなるのではと思っている様子です。
ただ、このご両親のことは、責められません。
実は、彼女よりご両親のほうが知的障害は重いと思われます。
かつ、知的だけでなく精神の病気ももっています。
しかし、今まで福祉には一切頼らず、生活保護も受けず、なんとか生活してきている老夫婦です。
もう、今は、なんとか娘に頼る以外は方法が思いつかないのでしょう。
ところが、彼女にとっていままで仕事をしていて一番うれしかったのは・・・
御給料日に明細を親に渡すと、「これで今月も生活できる」と言われることだったのです。
それが、今は「結婚しろ」となってしまい、そう、彼女は働く意味が全く分からなくなり混乱しています。
本当はこのご家族、ご両親を含めて全体で支援をしないとなんですが・・・
ご両親は、福祉側の訪問一切拒否なので、なかなか困難を極めています。
もし、彼女がちょっとでも、好きなもの、ほしいものがあって、お給料を底に使う楽しみを知っていたら・・・
少しでも今の状況は変わっていたかもしれません。
私は、立場上これ以上はなにもできない。
お友達として、彼女のSOSメールを受け取り、返信し同時に、彼女の就労支援者にその内容をひきつぐ。
今はそれ以上手の出しようがないのですが・・・
本当に心配です。
まだ30代。これからいくらでも、人生楽しめるのに。
自分の生活を充実させること、そのことに喜びを本人なりに理解できるように・・・
親としては、丁寧に育てていきたいなと思います。
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