国宝関連で「リアル東半コンビ」という記事が目に入りました。
この物語に特定のモデルは居ないとの事。
実際、喜久雄や俊坊にぴったり当てはまる歌舞伎役者は存在しないらしい。
でも連想してしまう人はいますよね。
※以下、役者名には敬称略とさせていただきます。
まずは歌舞伎界の稀代の女形といわれる人間国宝、万菊さん。
誰の頭にもパッと浮かぶのが坂東玉三郎。
映画の中の万菊さんは強烈な存在感、厳しさ、妖しさ満載でしたが、玉三郎の私生活を一切知らぬ身としては同一視とはならずです。あくまで万菊さんは万菊さん。
花井半二郎の後妻で、俊介の母親。上方歌舞伎の名門を支え、踊りの師匠でもある幸子。
演じているのは寺島しのぶ。
一般人が思い描く歌舞伎役者の妻像なので、誰かを連想するという事は無かったのですが、「後妻で踊りの師匠でもある」と聞くと藤間紫を想起したりしてしまうけれど、歌舞伎役者の息子はいらっしゃらなかったので、ふっと顔が浮かんだだけ。
それより何と言っても寺島しのぶですね。
彼女は幸子と経歴は全く違うけど、歌舞伎役者の娘に生まれ、女性は歌舞伎役者にはなれないと撥ねつけられた為に歌舞伎界の外で女優となりましたが、自分の息子が歌舞伎役者としての道を歩む事となり、計らずも歌舞伎役者の母親の立場に。
寺島しのぶの息子さんには血がありますが、御曹司と呼ばれるのは寺島しのぶの弟さんであり、弟さんの息子さんは既に御曹司として存在しています。つまり、弟さんが俊坊。
そうなると、寺島しのぶの息子さんの後ろ盾は誰がなるのか?叔父が息子を差し置いてまでの尽力を尽くしてくれるかとなると微妙なとこ。いや、普通は息子が一番でしょう。
寺島しのぶ一人で、喜久雄と俊坊の親であったり身内であったりしてる訳です。なんという説得力。
劇中、半二郎が部屋子である喜久雄に名跡を譲ると言った時に、夫をなじります。息子である俊坊が継ぐのが筋ではないかと。
これ、どういう気持ちで言っていたのかと思うと、心が痛む。
そして冒頭のリアル東半コンビ。私が頭に浮かんだのも市川團子と市川染五郎。
やっぱり世間の方々も同じ印象をお持ちだった様子。
まず頭に浮かんだのが田中傳左衛門さんという、歌舞伎で太鼓や笛などを使い囃子(はやし)と呼ばれる音楽を担当している方が、ご自身のブログで團子の事を「只の駄馬」と罵倒した事件。
市川染五郎をサラブレッドと言いたかったんでしょう。
芸はもちろん、礼儀作法がなってないという内容でしたが、7歳の子供相手に随分な物言いい。
好きで歌舞伎入りが遅くなった訳でもなく、大人の事情に翻弄された事は世間の誰もが知る話です。
個人のブログでこれだけの誹謗中傷を堂々と出来るという事は、歌舞伎界の現場では筆舌に尽くしがたい虐めや嫌がらせをされてるのではないかと、容易に推察出来ました。
そういった事も含め、喜久雄が劇中で排除される姿とぴったり重なったという訳です。
以前、中村獅童が「父親が歌舞伎役者を早くに廃業した為に苦労した」という話をしてらっしゃいました。
名門の血筋であっても後ろ盾がないとこういう憂き目に遭う世界なんですねぇ。
血筋でない喜久雄が師匠の半二郎亡き後、安泰で過ごせなかったのは当たり前なのかも。
市川團子と市川染五郎は今でもお二人でよく共演されてますし、マスコミにも出られています。軽やかにマスコミ対応する俊坊と染五郎のイメージが重なったりもしました。
とは言え、ふと連想はすれど喜久雄と俊坊とは全然違うのは分かる。
将来お二人がどんな風になるのかは分かりませんが、喜久雄と俊坊のように芸に精進し、人間国宝になるといいなぁなんて、ふわっと考えています。
そしてにわか丸出しですが、リアル東半コンビの舞台も観てみたいなぁ。

