私は、夕方になって家に帰った。

実母も帰ったらしく家には父しか居なかった。

部屋に戻ろうとした時、父から『お前の気持ちも聞かず今日は悪かったな。でも、本当に辛かったら我慢しないで言いなさい。パパが何とかしてあげるから』と言われた。

私は小さく頷き部屋に戻った。


暫くすると母と兄が帰ってきた。階段を登る音が聞こえ、兄かなぁと思った瞬間私の部屋のドアが開いた。

母だった。
母はドアを開けるなり『あんた、まだここにいるの!?今日迎えに来させたのに何で行かなかったの!!今日からあんたの顔を見なくてすむと思ってたのに!!』と怒りを露わにして部屋から出て行った。


この時、父は私の為を思ってこの家から出そうとしたのではない。
父と母で話し合った上で父の了承のもと私を追い出そうとしたんだと思った。
私が小1の夏休みに突然知らない女の人が家に来た。

この日は、母や兄が母の実家へ帰っていて父しか家には居なかった。

私は直感的に『母親だ』と分かった。

父から『お前のお母さんだよ。お前がうちのに虐待されてるのは分かってたよ。もう我慢しなくていい。お母さんと一緒に暮らすんだ。その方がお前にとっては幸せだからな』と言ってきた。

女の人も『随分辛い思いしたでしょ。ごめんね』と泣きながら何度も謝った。

私は父に聞いた。
『パパも私がこの家に居ない方がイイと思ってる?』

父『そんな事思ってないよ。ただお前が不憫で可哀想でな。』

私『そう思ってないならここに居る。悪いけど、私の母親はママだけだと思ってるから。一杯嫌な事はされてるけど、それはパパとあなた(実母)のせいでしょ。こんな事しないで。』と言って家を飛び出した。

私が母を嫌うようになってから母とのケンカも絶えなくなった。

小学生の私には母にかなう訳がないのは分かっていた。


ただ、何かにつけてケチを付け嫌み皮肉たっぷりの母がとにかくムカついた!!

イイ子を演じていた時の私は、単に母に逆らわなかったからケンカにもならないし、私を嫌っていてもこの時程手を挙げたりはしなかった。

でも、私を慰めはするけど根本的な解決をしようとしない父、暴言暴力を繰り返す母と本当にこの家に居るのが嫌で嫌で仕方なかった。


しかし、どんなに両親をキライになっても母への罪悪感が消える事はなかった。

母に申し訳ない気持ちを持っていた分母からの仕打ちに耐えられなかった。